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2012年6月29日 (金)

「新嘗祭」について

「新嘗祭」とは、新穀をまず神前に捧げてお祭りし感謝の報告をした上で、これを神よりの賜りものとして食する儀式である。一般には秋祭りとして行ふところが多いが、単なる収穫感謝ではなく、神のみたま・生命力を身に體して生命を養い強化する儀礼でありまつりである。やまとことばで、「にふなみ、にひなめ、にへなみ、にひあへ、にはなへ、にはなひ」といふ。宮中においては、大嘗祭を行ふ年を除いて、毎年陰暦十一月中の卯の日に行はれる。その年の新穀を諸神に供へ、天皇ご自身も食される。

『日本書紀』に「天照大御神(あまてらすおおみかみ)の新嘗きこしめす」とある。「新嘗きこしめす」とは、神から新穀を頂戴することである。神からいただいた新穀を、天皇様がいただかれる事によって、天皇は現御神としての御稜威を増強されるのである。さらにいへば、天皇が新穀を祖神と共食することによって、祖神と一體になるのである。

高天原の「斎庭の穂」には、皇祖=日の神=天照大御神の靈意が籠ってゐる。その稲穂をきこしめすことは、皇祖の靈威を身に體し、大御神とご一體になられ、御稜威・靈威の更新をはかられるのが新嘗祭である。天皇は、毎年新嘗祭を繰返されることによって、再生復活され新しい御稜威をおびられるのである。

昭和天皇も、今上陛下も「新嘗祭」を執行されている。『昭和二十一年元旦の詔書』において、昭和天皇は神格を否定されたといふ主張は全く事実に反する。

「新嘗祭」は、實証史學においては、水稲栽培が始まった弥生時代に、稲魂を祭った儀礼に遡るとされる。神話の世界では、『古事記』に天照大御神が神殿で大嘗きこしめしたと記されてゐるやうに、神代の昔が起源である。

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