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2012年6月30日 (土)

クレイトン・ヤイター元米国商務長官の「TTPと日米関係」題する講演の内容

笹川平和財団主催『クレイトン・ヤイター氏講演会』におけるクレイトン・ヤイター元米国商務長官の「TTPと日米関係」題する講演の内容は次の通り。

             ○

「三十年前、アメリカ全土をカバーできる法律事務所を作ろうとした。今は無数にある。国際的事務所も多くなっている。大きな変化。貿易自由化を多国間ベースで出来ればいい。多くの人々が望んでいる。二国間ベースでは出来なかったことが出来るようになる。そこでTPPが登場する。日本は積極的に参加すべきである。日本にとって巨大なプラス。TPPを活用して経済刺激のきっかけにすべし。これが最も大きな理由。ナフタ(北米自由貿易協定)の記憶があるからである。対日貿易が五十%増えた。ナフタの功績。生産性が向上した。東西だけでなく南北の物の動きが拡大した。日本がTPPに加盟すればそれが実現する。時の経過とともに参加国が増える。それらの国々は日本よりも有利になる。

中国と韓国という二大ゴリラがTPPに参加するとどうなるか。韓国は日本が入っても入らなくてもTPPに入る。韓国は参加したいと明言。中国は将来的には参加するかもしれない。第一段階では入って来ない。しかし排他的になる事は無い。アメリカは中国をライバルとは思っていない。敵対関係にない。

日本はTPPに入るべし。経済便益は大きい。日本にとってアドバンテージ(前進や優位性という意味の英語)になる。TPPは、日本にとって改革の機会を与える。日本の農家が熱心ではないことは諒解した。TPP参加は日本の長期的国益にかなう。参加すると日本農業に大きな調整が必要になる。

TPPを世界のモデル協定にしようとしている。それがアメリカの交渉官の意図。全てのトピックについて進捗が見られている。世界にとってプラスになる。日本がアメリカの市場に入ることが出来るし、アメリカが日本の市場に入ることが出来る。経済規模が二倍になる。日本は誇りのある国であり、世界第三位の経済大国。日本に『第一段階で入れ』と言っている。TPPは日本経済と貿易のバランスの軸になり得る。日本は経済的にも地政学的にも良い位置にいる。

重要品目を交渉から除外できるだろうか。悪い前例を作るべきではない。除外することは認めない。日本の経済成長は二十年間低かった。日本の経済復活はもう無いと言われるが、そんなことは信じるな。アメリカもかつてそう言われたが、復活した。アメリカの経験の真似をして、日本もTPPを使って回復できる。大震災における日本の立派な態度に敬意を表する。

高失業率を貿易のせいにしたがる。貿易政策より技術政策の方が強い。輸入が増えると高失業率になるというのはどうか。分析は慎重にしなければならない。

中国は追加的メンバーになるとは言っていない。今のルールを受け入れて追加メンバーになるのではなく、その時本格的交渉が必要になる。自由貿易エリアは日本が参加しようがしまいが存在する。米中の貿易戦争は誰の利益にもならない。米中韓貿易が増えると関税問題が発生する。

食品の安全については過剰反応である。食品の安全についての交渉は既に進行中。WTO・SPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)の中にある。TPP参加者は既存の規定よりもアップグレイドしたものにしたいとしている。食品衛星について合意を期待するが、主権国家日本はノーと言うべきことはノーと言えばいい。このようなテーマは交渉の場で解決すべし。食品衛生の問題があるからといって日本は傍観者であるべきではない。

私は八十年代に長期的展望で日本の国益にかなわぬことを日本に要求したことは無い。カナダに対しても然り。中国も例外なき参加になるが、遠い先のこと。現実的には第一段階で参加できるのは日本・メキシコ・カナダ。他は想定していない。中国は第二段階でも参加しないと思う」。

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