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2012年6月18日 (月)

『近代洋画の開拓者・高橋由一』展参観

今日参観した『近代洋画の開拓者・高橋由一』展は、「《鮭》や《花魁おいらん》(いずれも重要文化財)、あるいは《豆腐》《山形市街図》を描いた画家として知られている、明治時代を代表する洋画家、高橋由一の全貌を紹介する展覧会です。

明治維新後に丁髷(ちょんまげ)を落とし『由一』を名乗るところから、近代洋画の父と呼ばれる高橋由一の活躍がはじまります。…洋画を日本に普及するのが自分の果たすべき使命だという強い自負にあふれていました。…本場の西洋画を知らずに写実に挑んだ男が生み出した油絵だからこそ、黒田清輝以降の日本洋画の流れとは一線を画す『和製油画』として日本的な写実を感じさせるのです」「本展では、由一の代表作を網羅し、初期から晩年までの作品を一堂に紹介…『近代洋画の開拓者』高橋由一の魅力を探ります」との趣旨(解説文)で開かれた。

肖像画は、「丁髷姿の自画像」「藤田東湖像」「武田耕雲斎像」「岩倉具視像」「大久保甲東像」「日本武尊像」「花魁」(重要文化財)が印象に残った。表情が生きている。

風景画では「不忍池」「根津権現」「月下隅田川」「墨堤桜花」などが良かった。不忍池と根津権現は私がよく行く場所である。明治初年代の様子が描かれている。私は根津権現の氏子である。当時は鬱蒼とした森があったようである。

静物画では「甲冑図」「鮭」などが印象に残った。「鮭」は教科書などに載っていることが多い。明治初期の絵とは思っていなかった。それだけ新しい命を持ち続けている絵だと思う。

高橋由一の作品は、リアルな質感描写が高く評価されているが、単なる写実の域を超えた迫力のある絵が多かった。

高橋由一は、下谷・入谷で長く住まいを持ち、東日暮里で死去した。私宅の近くなので親近感を覚えた。

高橋由一が西洋画に関心を持つきっかけになった「米墨戦争

記挿図」(カール・ネベル)が展示されていた。これは、日本に開国を迫るためにペリーが持ってきた絵である。アメリカがメキシコを軍事的に屈服させたことを主題とする絵画で、ペリーがアメリカの軍事力をわが国に示すため幕府に贈った。黒船来航はまさに、日本を屈服させんとする砲艦外交だったのである。

続いて参観した『芸大コレクション展・春の名品展』は「当館のコレクションは、開学以来一二〇年を超える収集活動によって形作られたもので、古美術から日本画、洋画、彫刻、工芸、歴代教員・学生による作品など多種多様な内容を誇り、その数は重要文化財二二件を含む二万八千五百件を越えています。…今年は、古美術、近代美術の各分野の中から、多くのお客様にご好評いただいている作品を精選して展示いたします」との趣旨(案内書)で開かれた。

「浄瑠璃寺吉祥天厨子絵」、白滝幾之助「稽古」、高村光雲「観音像木型」「絵因果経」(天平時代)、浅井正「収穫」などを観る。

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