« 千駄木庵日乗六月十八日 | トップページ | 千駄木庵日乗六月十九日 »

2012年6月19日 (火)

和歌が復興した時代こそが維新の時代である

 幕末期の日本的ナショナリズムは、萬葉の時代・建武中興の時代の尊皇精神への憧憬の心と結びついてゐた。つまり、萬葉の精神と楠公精神である。

 

江戸時代前・中期において『萬葉集』は學問の対象ではあったが、和歌創作の規範とはならなかった。しかし幕末期の國學者たちが『萬葉集』の精神を復興せしめた。その「文藝復興」が明治維新の精神的原動力の一つとなった。

 

民族の歴史と伝統の精神を変革の原理とする日本の維新は、維新を志す者が、自らの精神と行動に、憧憬すべき時代の先人たちと同じ決意と歓喜と行動の源泉を甦らしめることによって実現する。これを復古即革新即ち維新といふのである。

 そのために日本民族の持つ清潔な精神的血統と道統を継承する文藝である和歌を學び、和歌を詠むことが大切になるのである。なぜなら、いにしへから伝へられた「五・七・五・七・七」といふ形式を保持しつつ、その形式によって新しき精神を表白するところの和歌が、「復古即革新」の文藝だからである。 

 今日の日本も幕末期と同様に、内憂外患交々来たるといった状況である。かうした状況の中にあって、我々の維新の情念を伝統的な文學によって訴へる「言靈のさきはへ」が今こそ必要なのである。和歌の復興が必要なのである。

  現代日本において短歌を詠む人は多いが、変革の情念、特に日本人の深層精神において継承して来てゐる民族の共同精神を表白し訴へるものとしての「やまと歌」を詠む人は少ない。真の意味において和歌が復興した時代こそが維新の時代であるといっても過言ではない。維新を目指す我々は、和歌の力といふものの偉大さを今こそ実感すべきである。

|

« 千駄木庵日乗六月十八日 | トップページ | 千駄木庵日乗六月十九日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/54999364

この記事へのトラックバック一覧です: 和歌が復興した時代こそが維新の時代である:

« 千駄木庵日乗六月十八日 | トップページ | 千駄木庵日乗六月十九日 »