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2012年6月13日 (水)

この頃詠みし歌

銀杏若葉 日に照り映えて新しき命を誇るごとくに見ゆる

雨音の静かに聴こゆる夜の更けに日記書きゐるひそやかさかな

本物の黒き髪かと問はれたり 六十五歳のわれの喜び

久しくも読むことのなき書物あり懐かしきかな「ヨハネ福音書」

卓上の灰皿に吸殻増えゆきて もうこの辺で吸ふまいと思ふ

何時ものやうに笑顔で迎へる店主あり 今宵の酒はまた美味きかな

窓ガラス拭き清めゐる時にしも爽やかな初夏の風吹き来たる 

常世への入り口といふ山の姿今に忘れず都会に暮らす(二上山を偲び)

原稿を書き終へし後のやすらぎは 一杯のコーヒー 一本の煙草

逝きませし父を偲びて手を合はす遺影の笑みは常に新し

父上の遺影の笑顔に真向へば 今此處にまだ生きます如し

鎮まり難き怒りのあればなほさらに如意輪観世音の慈悲にすがらむ

青山の緑濃き墓地に雨降れば御霊も永久に鎮まるごとし(、『無名烈士墓前法要』)

雨の中 墓前に集ふ初夏の午後 粛々として御霊拝ろがむ()

青山の墓地の緑の美しさ梅雨入りの日に来て眺めをり()

憎しみの心湧き来れば一人して心鎮めに歌を詠むなり

苦しみて逝きませし父のことを思ひ悔しさつのる日々にしありけり

箒といふ物を持つこともなくなりぬ マンション生活も三十年を経て

マンション住まひも三十年となりにけり 地に足がつくといふ言葉を思ふ

酒場にてよく会ふ夫婦 今日もまた楽しげに見ゆ うらやましきかな 

知り人が閣僚となりて答弁す わが町にポリスボックスが立ち

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