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2012年5月21日 (月)

『ボストン美術館 日本美術の至宝』展参観

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今日参観した『ボストン美術館 日本美術の至宝』展は、「アメリカのボストン美術館は、"東洋美術の殿堂"と称されます。100年以上にわたる日本美術の収集は、アーネスト・フェノロサや岡倉天心に始まり、今や10万点を超えます。海外にある日本美術コレクションとしては、世界随一の規模と質の高さを誇ります。本展は、その中から厳選された仏像・仏画に絵巻、中世水墨画から近世絵画まで、約90点を紹介します。…海外に渡った日本美術を蘇らせ日本文化の理解を深めることは、友好関係の一層の発展をうながすものとなるでしょう。」(案内書)との趣旨で開催された。

日本初公開の曽我蕭白(そがしょうはく)の『雲龍図』、法華堂根本曼荼羅図(奈良時代)、如意輪観世音菩薩像(平安時代)、弥勒菩薩立像(快慶作)、吉備大臣入唐絵巻(平安時代)、平治物語絵巻・三条殿夜討巻(鎌倉時代)、龍虎図屏風(長谷川等伯筆)、松島図屏風(尾形光琳筆)、十雪図屏風(狩野山雪筆)鸚鵡図(伊藤若冲筆)、短刀・尻懸則長(尻懸則長作)など海を渡ってボストン美術館に収蔵された美術品を見る。

国宝級のものが多いと言う。日本刀も多く展示されていたが、剣というものは有体に言って人を斬る道具つまり武器である。近年は知らず、昔は美術品として製作されたものではない。しかし、日本刀を鑑賞すると放つ光も姿形も実に美しい。まさに最高の美術品になっている。日本人の美感覚の素晴らしさであろう。日本人は何でも美しくしてしまう。日本人にとって最高の価値は、清らかさであり美しさである。

『吉備大臣入唐絵巻』という絵巻物はユーモアのセンスあふれるものであった。遣唐使として唐に渡った吉備大臣という人物が空を飛んだりする超能力で唐の役人をどんどん打ち負かし、ついに、囲碁と『詩経』を日本に持ち帰るという物語である。

何故このように多くの優れた美術品がアメリカに渡ったのか。明治維新後の廃仏毀釈によって仏像仏画が軽んじられこと、没落した大名家が先祖伝来の美術品を売りにだしたこと、さらに最も大きな原因は「文明開化」「西欧化」の波が押し寄せた明治初期の日本が極端に伝統文化を軽視したことがある。アメリカ人がそれを買い求め母国に運んだ。大東亜戦争直後にも、多くの美術品が売りに出され、海外に流出したと聞いている。

しかし、日本の美術品が海外に流出したことにより、日本の文化文明が非常に優れたものであり、日本美術が如何に高度なものであるかを海外の人々に認識させた。怪我の功名という事であろうか。

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