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2012年5月 9日 (水)

中河与一氏の文明論の先見性

中河与一氏は、「我々は一日も早く新しい生命をとりかえさなければならない。そのためには古典を回復し、それが教えている道統によって近代文明を批判しつつ、新しい文明を築かねばならない。…東洋人としての汎神論的思考方法、合理主義以上のものの存在を自覚することによって、ヨーロッパの二の舞を味わってはならない。日本人は八百万の神々と言った。すべてのものの中に神を見る精神を失って、ただ人間中心の思いあがった思想に生き、自然を破壊していると、人間は必ずその復讐を自然から受けねばならない」と論じた。

これは昭和四十七年刊行の『森林公園』という著書の中の文章である。今から約四十年前の文章である。大変な先見の明と言わねばならない。

最近は、異常な自然現象が起こり、人間生活が脅かされ続けている。自然を作り替え、利用し、破壊してきた人間が、自然から復讐を受けているように思われてならない。『古事記』『萬葉集』『日本書紀』という日本の古典に示されている自然を神として拜ろがむ精神の回復が今日の危機を打開する。科学技術文明至上主義・西洋合理主義を反省することと、神話の世界への回帰こそが、今、一番大切である。

荒ぶる自然の神々を鎮魂し、言向けや和すには、神話の精神・祭祀の心を復興することが第一である。神話と現実を切り離して考えることは間違いである。今即神代、「高天原を地上へを」実現すべきである。

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