國體及び憲法問題に関する故三潴信吾先生の重要な指摘
以前、『憲法懇話會』で憲法学者の故三潴信吾先生が次のように語られました。
「憲法改正より自主憲法制定が正しい。吉田茂首相は自主憲法制定の意志があった。昭和二十八年の主権回復と共に、自由党として自主憲法制定をするとはっきり言って、自主憲法制定の組織を作るように岸信介氏に命じた。吉田茂は憲法に手を付ける意図がなかったというのは真っ赤な嘘。高柳委員會以前に自由党の憲法調査會があった。
日本の「祭政一致」が外國人にはよく分からなかったので、『祭祀は皇室の私的行事であり、國家公共機関がやってはならない』ということになった。皇祖皇宗へのお祭りは決して私事ではない。國家の行事としての祭祀である。明治のはじめに立憲政体になった時、神祇官を太政官の下に置いたのが間違い。マッカーサーからステート(國家権力機関)神道では駄目だと言われた。
憲法は祖宗の皇統・國體に基づく政体規定。天皇条項は『祖宗の皇統としての天皇』を明確にすべし。美濃部達吉氏は『天皇は政体においては一つの機関だ』と言った。國體の天皇を機関だと言ったのではない。美濃部氏は戦後『帝國憲法の第一条・第二条は変えるべきはではない』と言った。
憲法はステート(國家権力機関)の基礎法。ステートと憲法の拠って立つ基本が國體。宮中に内大臣府があり、天皇の大御心を基として質的柱が立っていた。
國會は内閣が招集し、最高裁に違憲立法審査権があるのだから、國會が國権の最高機関というのはおかしい。
エンペラーの語源は最高権力者であるから天皇をエンペラーと訳してはならない。
『現行憲法』の「上諭」において、昭和天皇は、『帝國憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる』と示されているにもかかわらず、『前文』には『日本國民は…主権が國民にあることを宣言し、この憲法を確定する』と書かれているように、天皇が公布せしめたのに國民が確定したという嘘が最初から書いてある」と語られた。
國體及び憲法問題に関する極めて重要な指摘であります。天皇を祭祀主と仰ぐ日本國體に立脚した「成文憲法」を正しく開顕すべきであります。『大日本帝国憲法』の「國體条項」は理想に近いものであったと思います。
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