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2012年5月27日 (日)

『楠公祭』における佐藤優氏の講演内容

『楠公祭』における佐藤優氏の講演内容は次の通りです。

「維新とは神話と歴史が交わること。神がかりにならねばならない。近代とは理屈で考えること。しかし理屈で説明できるのは森羅万象の一部。国会議員にエリートが増えたのに、なぜ国家がこんなにフニャフニャになったのか。それは合理主義に侵されたから。日本の官僚制度の本質とは、早く税務署長になる人を作らねばならないということ。そのためには記憶力の良い人をつくる。促成栽培のエリートが担う国家が限界になり、昭和維新運動はその中で起きた。

中村武彦先生はその著『維新は幻か』で、『新たにおこすべき維新運動はみそぎされたる一人一人の結集によって行われなければならぬ。民族主義を議論する前に民族の魂を明らかに磨き出せ。旧来『右翼』型の高慢、粗暴、あるいは二重人格的生活は残滓をととどめず掃い去れ。』『同志同胞に対する胸広き寛容と信義と、敵に対する仮借なき闘志、逆境に処する毅然たる信念、わが内より流れ出でて一切人に惜しみなく与える満々たる希望と愛情、これらのものは、革命と根本的に異なる維新、国づくりに欠くことはできない。かくて最も深く最も洗練された思想原理と最も広汎なる国民的基盤の上に立って、民族の理想と情熱を不断に燃焼させるように現実的具体的戦闘的に展開せられなければならぬ。それは、あくまでも名実相応する「維新陣営」の出発である。「右翼」抬頭とは似ても似つかぬものである。』と論じておられる。

フランス革命の時にできたのが『右翼』『左翼』という言葉。合理主義に基づいて理想的社会を作ろうというのが左翼。人間は理屈丈では割り切れない。一人一人は理性的であっても気づかぬ偏見がある。真理は複数ある。王様・教会が今まで続いているのは意味がある。女系天皇論を理論化しようとするが、神々の世界に人権を入れようとするのか。弓削道鏡との婚姻を認めることになる。神々の世界と本質においてなじまない。ある意味で問答無用の世界。

本当に重要なことは言葉では語れない。何故日本国は生き延びなければならないのか。それは理屈ではない。維新は復古思想。理想を未来に打ち立てるのとは本質的に異なる。

国柄は文化のこと。國體は武が含まれる。私は早く成文憲法が無くなれば良いと思っている。英国とイスラエルには成文憲法は無い。

維新という言葉が毎日テレビ新聞に出る。維新のインフレーション。一部のチンパンジーは言葉を話すが思想は持てない。思想は言葉無くしてあり得ない。思想を持つからこそ人間は悠久の大義を持つ事ができる。政治刷新の基準を過去に求めるのが維新。

プーチンは復古。帝政ロシアに戻る復古維新をしようとしている。スターリンによって爆破された教会の横を通って大統領就任式に行った。

橋下の維新は権力の再配分。生産の思想が無い。メカニズムは機械。システムは有機体。橋下の考えは合理主義であり左翼的。小泉の聖域なき構造改革と同じ。政治家が活動する時、理屈付けをする理論家がいなければならない。堺屋太一は日本をアトム的にバラバラの個人にして闘わせればいいという発想。しかし維新を期待する国民をうまく束ねれば実現する。

世界は帝国主義的になってきている。中国・アメリカ・ロシア・EUは権益の拡大に腐心している。こういう状況で日本は適切な対応をしなければならない。偽物の維新を批判するよりも、本物の維新が行われなければならない。本当の維新をどうして我々の側で組み立てられるかを考えねばならない。草の根の我々に高天原の神々が『お前さんたち、行きなさい』と指令した。神々の力が働いている。

東日本大震災の時、イギリス以外の白人は関西へ逃げた。東京で都市暴動が起こるのを恐れた。危機的状況では人種問題が起こるから。しかし、日本人は普通に働いた。『大日本は神の国』だから。

『不思議』とは、『思い量る事が出来ない事、人間の判断力ではわからないこと、想定外のこと、定義不能な事、言語で表せない事、そして我々に確実に及ぶ力』を言う。

『太平記』は南朝側の文章ではないことが最近分かった。明という大帝国の中華秩序とどう付き合うかという事が課題になった時、日本の中にグローバルスタンダードに頼った方が良いという考えが起きた。『愚管抄』では百代で王朝交代が起こると書いた。そうなると冊封体制・中華体制に日本は入るという事になる。わが日本は一日だけ、足利義満が冊封体制に入ったが、義満が『王』になる前に死んだ。恐らく毒殺であったろう。それとは別の考えが『大日本は神の国』という思想である」と語った。

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