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2012年5月20日 (日)

石田収筑波学院大学教授の講演内容

五月十二日に行われた『アジア問題懇話会』における石田収筑波学院大学教授の「激しさ増す中国の権力闘争」と題する講演内容は次の通り。

「重慶市は直轄市。省並み。薄熙来は三月十五日に重慶市党書記を解任され、四月十日に政治局員を解任された。中共の権力闘争は路線闘争でもある。過去に陳希同北京市党委書記、陳良宇上海市党委書記の二人が逮捕された例がある。全ての人が叩けば埃が出るのに、二人だけがどうしてやられたのか。今回も同じ。太子党有力メンバーを解任した。金にまつわる事から胡錦濤の逆鱗に触れた。胡錦濤派の攻勢に江沢民派が乗った。

これまでの十年間は、胡錦濤がああしたい、こうしたいと思っても出来なかった。『人民日報』一面コラムに『中国は法治国家、権力は人民から与えられたもの』というステレオタイプな考え方を述べた。八回あらわれて突然消えた。それだけ党中央は動揺している。『解放軍法』は、『部隊はいかなる時、いかなる状況下でも党中央と中央軍事委、胡錦濤主席の指示に従わねばならない』と書いた。

太子党への批判が強い。習近平の力が低下。胡錦濤の力が増す。混乱するので習近平の総書記就任は変わらない。しかし飾り物になりかねない。実権は胡錦濤葉が握る。政治改革は総書記が音頭を取らないと動かない。政治局常務委員の力は大きい。六十八歳以上は引退する。

太子党は改革左派。軍も同じ。江沢民の健康問題が重大。どこまで影響力を発揮できるか。

中国の工業は、六割を外資系企業が担っている。社会福祉・医療が遅れている。太子党に不満が出るのは当然。中国の社会主義体制は根幹から揺らぎ始めている。

胡錦濤派の李克強が上がってくる可能性あり。この人がとういう考え方を持っているかが重要。中間層が増えて生活水準が上がっている。中国共産党の民主主義とは、上から下を引っ張り上げること。

習金平の十年間は、政治改革は何もしない。本格的改革はそのあと。中国の政治改革は民主化ではない。

中国が抱えている矛盾は①権力の極度の集中。②巨大な格差。③汚職・腐敗。④失業。⑤社会主義優位性の崩壊。経済発展が弱まれば、失業が増え、社会不安が増大し、党支配への不満が高まる。十三億人の意志をどう党中央に反映するのか。

毛沢東は建国。鄧小平は開放改革。江沢民は安定団結。胡錦濤は、政治改革・民主化に本格的に着手したら、歴史に名を残す。これからが本当の胡錦濤時代だという言い方もある。自分の子飼いを指導者にするには習近平は邪魔。

ジャスミン革命が微妙に影響。改革右派に有利。同じようなことが中国で起きかねない。二千年に党中央組織部が数万人を対象に行った無記名アンケートによると党員の七割が共産主義を信じていない。

万博も五倫も終わり国民を団結させる目標がない。一つは台湾問題。馬英九時代に足掛かりをつけたい。あと十数年で石油が採れなくなるので、海洋経済の発展によって二十一世紀を生き延びたい。アメリカとぶつかる。その中間に日本がいる。あと一億人人口が増えると、大陸は満杯状態。

中国が共産主義を放棄すると中華人民共和国は解体する。混乱を乗り越えてソフトランディングできれば『中国の時代』の始まり。とめどない混乱が起こる可能性もある。政治的にはデッドロック。行き詰まり状態だが、今のところ中国が共産主義を放棄する兆しはない」。

司会の澤英武氏は「ロシアは。ヨーロッパの一部と思っている。ヨーロッパは、ロシア人はチンギスカント混血したからそれを認めたがらない。しかし、ロシア貴族はヨーロッパの生活をしていたから、ある程度民主主義はあった。中国の政治改革は相当の流血が起こる可能性あり」と述べた。

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