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2012年4月19日 (木)

『日米欧の専門家と語る世界共通の課題ーー第一回東京フォーラムからの報告』における登壇者の発言

四月十七日に行われた東京財団主催『日米欧の専門家と語る世界共通の課題ーー第一回東京フォーラムからの報告』における登壇者の発言は次の通り。

フォルカー・シュタンツェル駐日ドイツ大使「エネルギー・移民・高齢化・介護ケア・資源ナショナリズムにどう対処するのか。二〇一〇年終わりに日本もレアアース問題に直面した。中国の抬頭はヨーロッパにも大きな影響を与えている。ロシアは日欧にとって隣国。インターネットを政府が管理すべきではないという主張をしている海賊党がベルリンで議席を獲得した。一一%の支持を得た。インターネットが如何に大きなインパクトを与えているか。コントロールの問題を議論すべし。日米欧が戦略上の議論を行い、様々な問題についてルール作りが必要。」。

フレッド・ハイアット米ワシントンポスト紙論説委員「政治家が国益のために活動できるのか。アメリカの共和党と民主党は協力できなくなっている。日本は人口動態変化に見舞われている。韓国・インドネシア・東ヨーロッパは民主主義国家になってきつつある。アフガン戦争でアメリカは多くの同盟国と共に戦った。アメリカ国民の多くが支持していた。中国の民主化を世界は辛抱強く待つべきか。共産党以外の政党を求めると刑務所に入れてしまう、政治体制の進化に声を発することが出来ないのが問題。インターネットが我々にとって破壊的であると共に実りあるものになっている。人々は自分の賛成できる記事しか読まないようになった。相手の意見は聞かないという選択をしている。他の若い民主国家がどうやって進んでいったらいいか教えてあげること。マッカーサーの日本民主化のやり方は理想的ではなかった。アラブ世界が繁栄する国になれば素晴らしいでしょう。民主化のシステムについて実務的・技術的な支援ができる」。

デビッド・ピリング英フィナンシャルタイムズ紙コラムニスト「日本に陰鬱な雰囲気がある。政治を進めることが出来ない。次の戦争はサイバーの中での戦いになるという意見があった。パワーとは軍事力経済と言われている。アメリカと日本は防衛予算が減っている。フィナンシャルタイムズには『社説』はあっても謀略は無い。自由に書いている。フィナンシャルタイムズはニュース組織であり、ニューペーパーではない。明確冷静なレフリーの役割を果たす。ちゃんとしたチェックをするのが我々の役目」。

細谷雄一慶應義塾大学法学部教授「二〇一一年二月から中東で民主化が広がった。イスラム諸国で民主化が可能かという議論があったが、速いスピードで民主化が広がった。アラブの春とはそれまでの政権を打倒すると暖かい幸せな季節が来るという希望があるということ。それがどの程度妥当するのか。中国の抬頭によって先進民主主義国はこれからどうなるのか。経済成長を考えるために民主主義はベストなのか。これからの世界はどういう方向に向いているのか。日本・ヨーロッパ・アメリカが共に罹っている病理・行き詰まりの最も重要なものは難しい決断が出来なくなっていること。TPP、増税が出来なくなっている。国民の意見が二つに割れている。民主主義の政治的決断は可能なのか。選挙が左右する。ポピュリズムの問題。民主主義は最も優れたモデルか。政治学の学界ではインターネットガバナンスの問題が広がっている。ソーシャルネットの問題と両方を考えていかねばならない。日本は一九四五年以降、民主主義なしでは経済発展できなかった。アメリカと同じ政治制度を持てと中国に言うべきではない。しかし、中国の政治は民主主義の分野を拡大して行くべし。民主主義は正当性に結びついている。全ての決定に正当性を持つ。難しい時代になっていく。国際秩序が作られるのは世界戦争の後。世界秩序を作るのは非常に難しい。今の秩序は一九四五年の後に米英そしてソ連が作った。国連も然り。今後、日米欧で合意してインドが理解して世界秩序を作る」。

石井正文外務省総合外交政策局審議官「この地域の安全保障を考える時、抬頭する中国と如何に付き合うか。中国が体制の違い、リーダーを選ぶシステムを説明できないところに難しさがある。そういう中国とどう付き合っていくのか。アメリカはアジアに関心を移してきている。世界の脅威は変わってきているのでアメリカ一国では立ち向かえない。各国の協力が必要。ヨーロッパの役割が重要。日本の選択は日米同盟を背骨にして中国と握手をするというのでいいのか。今後はやり方を変えるべし。武器輸出の新しい基準を作り日米同盟をもっと強化すべし。日米・日豪・米豪というネットワークが重要。ルールを守るのは楽だが、新しい国の抬頭でのルールをどうするのか。中国をエンゲージして行く。中国と話し利益を共有するのが大事。日本の国の決断が大事。日本自身の選択が大事。サイバースペースをどう守るか。表現の自由との兼ね合いが問題。国連中心のルール作りが始まる。日米欧が一つになってやる。中露との関係をどうするかに日米欧が協力することが大事。ユーロ危機は中国経済にも大きい影響がある」。

            ○

抬頭する共産支那に日米欧が協力して対応するというのが共通の認識であった。支那の軍事的政治的抬頭というよりも圧迫をまともに受けているのがわが国である。わが国自身が強くなることが大切である。そしてアメリカやヨーロッパ諸国と協力して、共産支那の理不尽にして無法な侵略主義・覇権主義を抑制しなければならない。

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