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2012年4月 5日 (木)

「皇后陛下喜寿記念特別展・紅葉山御養蚕所と正倉院裂復元のその後」展を拝観して

今日参観した「皇后陛下喜寿記念特別展・紅葉山(もみじやま)御養蚕所と正倉院裂(ぎれ)復元のその後」展は次のような趣旨で開催された。

「皇室の伝統文化の一つに,明治四年,昭憲皇太后がお始めになり,大正,昭和を経て平成の御代に入った今も,現在の皇后さまにより大切に引き継ぎ,保たれているご養蚕があります。近年,皇后さまがお育ての日本純産種の蚕である『小石丸』から採れる大変に繊細な絹糸が,古代裂の復元に不可欠なものであることが明らかになり,正倉院宝物の復元や貴重な文化財の修理に用いられたことから,次第に人々の間に伝統的な養蚕や古くより日本に伝わる絹糸に対する関心が高まってきています。

この度,宮内庁では,皇后さまが喜寿を迎えられたことを記念し,ご養蚕に関係する品々,これまで二十余年にわたり大切にお育てになり,十六年間にわたり,欠かさずに御下賜を続けられた小石丸の絹糸によって復元された正倉院宝物の染織品や,傷んだ表紙裂(ひょうしぎれ)及び巻緒(まきお)の修理を行った鎌倉時代の絵巻の名品『春日権現験記絵』(かすがごんげんきえ)などの展示を通し,文化的にも意義深い貢献となった皇后さまのご養蚕につき,紹介することといたしました。…公的なお務めを果たされる中,年毎に行われるご養蚕の諸行事にご出席になり,桑摘みや御給桑を始め様々な作業に携わっていらっしゃる皇后さまには,こうした養蚕のお仕事を,歴代の皇后さまからお譲られになったお仕事として大切になさっており,作業をお助けする関係者の助力に感謝されつつ,楽しくお続けになっていらっしゃいます。また,蚕とは異なり,戸外のケージの中で櫟(くぬぎ)の葉で育つ野生の蚕である天蚕の発育も,若木に卵をつけられてからの成育,繭の完成までを常に注意深くご覧になり,こちらは天皇陛下もその飼育環境の改善等にご関心をもたれ,時にご一緒に作業をなさることもあります。

日本の風土に根付き,人々の知恵と努力に支えられてきた産業や文化の古き良きものを大切に伝えていこうとされるご姿勢は,皇室の様々な伝統文化を継承されること全てにつながっているとも言えましょう。

明治の初めに昭憲皇太后が始められて以来,貞明皇后,香淳皇后,そして皇后さまへと引き継がれてきた宮中のご養蚕に,平成の御代,奈良期の古代裂(こだいぎれ)の復元という新たな道が開かれました。その成果や関係する品々をご覧いただき,紅葉山のご養蚕に,ひいては広く日本の養蚕につき一層理解を深めていただければ幸いです。」(案内書)

純国産の小石丸などの紅葉山御養蚕所の繭、天皇陛下から皇后陛下に贈られた糸箪笥、皇后陛下がお作りになった藁蔟(蚕が繭を作るときの足場にするもの)など御養蚕所で飼育されている日本純産種の蚕などの養蚕用具,小石丸の繭から採れる糸を使用して復元された正倉院裂、『春日権現験記絵』、高村光雲作の木彫『養蚕天女』像などを拝観した。

皇室の麗しい伝統を目の当たりにすることができた。皇后さまのお育てになった蚕によってつくられた絹の生糸・織物などは実に美しかった。

稲作と養蚕は、日本国の大切な生産の営みであり、わが国の重要な産業である。天皇陛下は皇居内で稲作を行なわれ、皇后陛下は養蚕を行なわれる。これは、民のなりわい・生業を、両陛下が御自ら実践されるということであり、まさに『君民一体』のわが國體を体現あそばされているのである。まことにありがたき限りである。

天照大御神は五穀の生産と養蚕を始められたと『日本書紀』に記されている。日本国の統治者が、御自ら稲作と養蚕を行なわせられるのは、神代以来の伝統なのである。宇佐八幡神宮に鎮まる養蚕神社は、天照大神が御祭神である。

人代においては、雄略天皇の六年三月、皇妃御自らみずから桑こきをして養蚕をされたと『日本書紀』に記されている。

神代以来の日本の良き伝統の保持と継承を、天皇皇后両陛下御自ら実践せられていることに無上の感激を覚えた。

天皇皇后両陛下がご成婚あそばされた昭和三十四年四月十日は、小生が中学校に入学した直後であった。桜が咲き、よく晴れた日であったと記憶している。

天皇皇后両陛下の萬壽無窮を衷心より祈念し奉ります。

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