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2012年3月27日 (火)

日本伝統信仰と自然との共生

本年一月七日号の『日本経済新聞』で、梅原猛氏は、編集委員の小橋弘之氏の問いに答えて、「科学技術文明の発展は豊かで便利な社会を生みだした。だがデカルト哲学は自然支配を肯定したから、深刻な地球破壊ももたらした」と論じている。そして、小橋氏によると梅原氏は。近代文明と西洋哲学の打開の糸口は、「草木国土悉皆成仏」で表現されている天台本覚思想に見いだされると考えたという。

梅原氏はさらに言う。「ただ、天台本覚思想だけでは足りないと感じて、新しい哲学の構築に踏み出せずにいたところ、三年ほど前にエジプトに旅をしてヒントを得た。古代エジプトの宗教は太陽の神ラーと水の女神イシスを中心にしている。エジプトの神学を頭に置いて仏教の教義や体系に思索を重ねていると、天台本覚思想の根底にも太陽崇拝があることに思いついた。」「私の中で自然中心主義と太陽の思想が合わさったことは重要だった。」「科学技術文明の主なエネルギー源の化石燃料は、太陽の恩恵を受けた動植物の死骸の堆積物。環境問題の面から、化石燃料を介さずに太陽や自然の恵みをじかに承けるにこしたことはない。自然を支配するのではなく、自然と共生することで、人類は末永い繁栄を図れる」と。

天台本覚思想は、自然に仏の命を見る思想である。それは鎌倉時代以降の日本仏教の原点と言っていい。この思想は天地自然に神の命を見る日本伝統信仰たる神道の精神と共通している。しかも日本神道は、その最高神として太陽神であられ天照大御神を崇めている。

自然との共生というのは生易しいことではない。自然が無慈悲に人間に襲い掛かってくることを、我々日本人は昨年体験したばかりである。しかし、自然との共生なくして人間は生きていくことはできない。

太陽の神・大地の神・海の神・山の神・水の神など、ありとしあらゆるもの、生きとし生けるものを、神と崇める日本伝統信仰に回帰することが今一番求められている。

真の意味で自然との共生を実践できる日本伝統信仰を根底に置いて生活することが、日本人が生き延びる道であると考える。

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