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2012年2月16日 (木)

『棟方志功・幻の肉筆画展』参観

今日参観した『パラミタミュージアム所蔵 棟方志功・幻の肉筆画展』は次のような趣旨で開催された。

「棟方志功は、明治36年、青森の鍛冶職の家に生まれました。他の仕事のかたわら、独学で絵の勉強を続けていた時に出会った、ゴッホの「ひまわり」の複製画に深い感銘を受け、画家になる決心をしました。…その後、版画家・川上澄生氏の作品に心を動かされ、版画の道を歩き始めました。版画家としては、昭和27年スイスで開かれた第2回国際版画展での優秀賞を皮切りに、数々の国際美術展で最高賞を受賞。「世界の棟方」として海外でも知られるようになりました。

本展では、棟方と同郷で長年交流のあった京都の個人邸宅に残されていた、肉筆による建築装飾画を中心に約50点をご紹介いたします。…知られざる棟方芸術の神髄をご堪能ください。」(案内書)

襖絵墨書「乾坤無妙」、襖絵「樹林」、掛軸「達磨西来図」、六曲一双屏風「二菩薩釈迦十大弟子図(菩薩改刻後)」、「般若心経版画柵」、自画像など多数の作品が展示されていた。

展示作品には「法眼志功」という署名が多く書かれていた。「法眼」とは「菩薩の持つ衆生を済度するための諸事象の真相を知るという眼」というのが原義で、坊さんの法印に次ぐ「位」の名称にもなり、さらに僧に準じて医師・絵師・仏師・連歌師などに与えられた称号にもなったという。棟方志功の深い信仰心を持っていたので、こういう称号を用いたのであろう。今回展示された作品でも、「代表作とされる「十大弟子図(菩薩改刻後)」そして「般若心経版画柵」に感動を覚えた。

棟方志功の描いた人物の『眼』に魅かれる。やさしさがある。仏や菩薩の眼である。どの作品にも強いエネルギーが感じられた。

地の底から湧き出るような日本的情念というか、魂を表現しているように思われる。棟方志功は青森県出身である。棟方の作品には「ねぶた」と同じようなエネルギーがある。西洋美術の模倣から始まった日本近代美術とは対極に位置する棟方志功は、最初国内ではなく海外で高い評価を得た。

棟方志功は、保田与重郎、中河与一という日本浪漫派の文士たちとも深い交流があった。私も中河与一先生のお宅で、棟方志功の大きな版画を見せていただいたことがある。

日本的エネルギーというか、日本人の強い生命力・信仰心を見事に美的に表現した人が棟方志功であった。

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