この頃詠みし歌
朝晩に父の遺影を拝みつつ安らかな眠りをただ祈るなり
凛として生きよとの声がわが内より聞こえ来るなる一人居の部屋
ひたぶるに生き行かむかな これの世に生を受けたることをうべなひ
棟方志功の命の力ほとばしる大き版画を見つめつつをり(『棟方志功・幻の肉筆画展』参観)
ふくよかなみ面と慈しみ深き眼の菩薩の像は志功描きし(同)
若き友の熱き言葉を聞きにつつ吾も昔に帰る心地す
台湾のことを友と語り合ひ五時間といふ時を過ごせり
裸木は間もなく命蘇り春の若芽が燃え出づるらむ
新しきマンションが次々と建ち続く 不景気といふに不思議なるかな
情けなき閣僚の答弁にあきれ果てテレビ中継のスイッチを切る
手を合はせ天地の神に祈る時 わが身に強き力みなぎる
わが祈り深くあるべし これの世を強く生き行く力なりせば
寒さ厳しき夜の道歩めばすれ違ふ人々は葬式の帰りなるらし
筆持ちておのが思ひを歌ふこと 魂(たま)の安らぎとなりてうれしき
歌を詠み一日のけじめとなすことをうべなひたまへ天地の神
若き日に共に学びし人の短歌 読みて懐かし逢ふすべなくも
心昂ぶり筆を握ればそのままに歌となるべし敷島の道
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