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2012年1月16日 (月)

この頃詠みし歌

怒りの念立ち来る時は一心に般若心経誦して鎮めむ

騒がしきこの人の世に我もまた生きて行くなり迷ふことなかれ

自らを叱咤するべし新たなる年を迎へ生き行かむ時

大つごもり 心のどかに夕暮れの根津権現に参り来たれり

新しき年の初めにつつしみて大祓の詞唱へまつれり

生きて来し六十五年に悔いはなし未来への道開く心に

新年の挨拶交はす妹も 今年還暦を過ぎにけるかな

大皇居(おほみかど)の庭に民草満ち満ちて聖壽萬歳唱へまつれり(皇居参賀)

新たなる年を迎へてすめろぎの尊きみ姿拝しまつれり()

御手振りて我らの歓呼にこたへたまふ大き帝を拝ろがみまつる()

玉の御聲朗々として清々しすめらみことはすこやかにをはす()

力ある玉の御聲は広庭に響きわたれり正月二日()

近代の短歌といふものみな暗く悩み苦しみを詠む歌多し

大らかに明るき歌を歌ふべしと筆を握りてノートに向かふ

光明の照り輝ける朝にして心ひろらかに歌詠まむかな

生命の躍動おぼゆるこの朝(あした)天津日の神照り輝けり

生き生きと人々の暮らしが描かれし広重の絵を驚きつつ見る(ミッドタウン「サントリー美術館」)

広重の描きし富士の高嶺には雪は降りつつ清らなるかも()

わが父が通ひ来たりし檜町防衛庁跡地の高きビル仰ぐ()

幼き日親しみにける幻燈もガリ版もメンコも消え果にけり

うまき煮込みともつ焼きのシロを食しつつ新玉の年の夕べを過ごす

新妻が夫を助けて商ひに励みゐるなり新春の酒房

若き夫婦共に働きゐる姿見て好ましき新春の酒房

着古したる上着を捨てて思ひ出す藤山一郎の高き歌声

古き上着捨ててしまひし夜にして『青い山脈』の歌詞思ひ出す

床屋にて無駄口きかず座しをればその店の主人は所在無げなり

月夜良し友良し酒良しつまみ良し年の初めの大江戸の街

まんまる月 夜空に浮かぶすがしさよ 今日のこの日も無事に終はらむ

女々しくも恋ふる心の鎮まらず 逢ふこと難き人なればこそ

人を恋ひ人を慕ひて生きて来し我に妻なきことの悲しさ

お年寄りが前に立ちゐても女子高生が席譲らざればいきどほろしも

外出をすれば腹立つこと多しわが性(さが)ゆゑか 世が悪いのか

寒き風吹き荒ぶ夜は友達と鍋を囲めば楽しくもあるか

乙女たりし人と逢ひたりお互ひに六十五歳と言ひて笑へり

苦しめる父上の胸をさすりつつ神に祈るよりほかにすべなし

胸さすり神に祈れば父上はやすらぎの顔となりたまひたり

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