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2011年12月30日 (金)

やまとうたの起源について

『うた』の語源は、神様に何事かを「訴へる」といふところから来てゐる。神に自分の心・神への願ひ事を訴へることが歌の起源である。

高崎正秀氏は、「歌は空(ウツ)・現(ウツツ)・うつろ・うつけなどと同義で、神憑りの夢幻的な半狂乱の恍惚状態を指すことから出た語であり、同時にまた、裏・占・心(ウラ)訴(ウタ)ふなどとも同系語で、心の中の欲求を神に愁訴するものであった。」(『伊勢物語の意義』)と論じてをられる。

わが國の文藝の起源は神への祭祀における舞ひ踊りと共に歌はれた「歌」であることは、出土してきてゐる土偶によって分かるといふ。

ことばを大切にしことばに不可思議にして靈的な力があると信じたがゆへに「言霊のさきはふ國」といはれるわが國においては、歌は何よりも大切な神への捧げものとされたのである。それが祝詞となったのである。祝詞も声調・調べが整ってゐる。

日本の古代信仰のみならずあらゆる宗教において神や仏に対して祈りを捧げたり経典を読誦したり、特定の言葉を唱へることが基本的行事である。すべて言葉を唱へる行事である。祈りとは、経典や聖書、祈りの言葉そして題目や念仏も同じである。

歌をはじめとした日本文藝の起源は、神への訴へかけである。和歌は神聖な文藝であると考へられていた。神に対してだけでなく、恋人や親や死者など他者に対する何事かを訴へかけが、日本文藝の起源なのである。

他者に対して何事かを訴へるものが「歌」であり、何事かを語りかけるものが「物語」である。

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