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2011年12月28日 (水)

黄昭堂先生お別れ会における登壇者の発言

黄昭堂先生お別れ会における登壇者の発言

王明理台湾独立建国聯盟日本本部委員長「黄昭堂氏は、昭和大学に職を得たことによって日本に根を張って活動できるようになった。十一月に鼻の手術を受け、麻酔から覚めず大動脈解離で他界した。十二月二日に台北で告別式が行われた。世が世なら国葬で送るべきだった。二十六歳で来日。東大に留学。前途洋々の将来を振り切って困難な道を歩んだ。私の父・王育徳と十年ぶりに再会した。独裁政権下で苦しんでいる台湾民衆を救おうと五十年間リーダーとして活動した。大らかで明るい人柄で多くの同志が集った。私のことを『自分の娘だ』と言って可愛がってくれた。私が委員長に就任した時、『何も心配しなくていい。困ったら電話を下さい』と言われた。台湾を建国し胸を張って『台湾』と言える日まで頑張っていきたい。」

金美齢さん「蔡英文が総統になるかどうかの大切な時に亡くなってしまった。私は『台湾青年』を初めて読んで興奮した。勇気と能力のある人に会いたいと言った。『自分から会いたいと言う人はスパイに違いない』と黄昭堂は言った。私にやさしい言葉をかけてくれたことはない。しかし、かばわなければならない人のことは徹底的にかばった。体がボロボロになるまで私心なく台独のために頑張った。怖いもの知らずの私も黄昭堂の言うことにだけは逆らわず絶対服従だった。器の大きい人だった。『命もいらぬ,名もいらぬ,官位も金もいらぬ』と言う人が一番怖い。艱難辛苦の人生を選んだが故に偉大な人になった。ストイックに私心なく台湾のために生きた男です。」

西村眞悟前衆院議員「私は台湾人を外国人とは思っていない。同胞と思っている。日台運命共同体とは、共同して中国に立ち向かうということ。」

王雪梅さん(王育徳令夫人)「大雪の翌日の晴れた日に黄昭堂さんは王育徳を訪ねて来た。黄昭堂さんは王育徳の高校教師時代の教え子だった。主人はどんなに嬉しかったことでしょう。他の留学生も連れ立って家に来るようになった。若者らしく『何を為すべきかを』を語り合った。そして台湾青年社を立ち上げた。政治家に立候補することもなく、台湾の道筋を照らす重大なる役目を担っておられた。黄昭堂先生こそ総統に向いていた。お世話になりました。ご苦労をおかけしました。お疲れをあの世で癒して下さい。」

宗像隆幸台湾独立建国聯盟中央委員「五十年間共に運動をしてきた同志が亡くなり、胸の中に大きな穴が開いたようだ。独立が達成できなかったことが悔やまれてならない。台湾人は自らの手で新しい民主国家をつくる。世界の人々が承認する国家でなければならぬ。『中華民国』ではどうにもならぬ。台湾独立建国を絶対に忘れずに頑張る。」

林正成台湾独立建国聯盟日本本部執行委員「一九七一年に台湾から強制送還され帰国した時、黄昭堂氏に会って一杯やった。その時、黄氏が私より一歳年上と知り、それ以来『兄貴』と呼ぶようになった。兄貴が台湾に帰る時、『国民党に攻撃されることに気を付けてもらいたい』と言ったら、兄貴は『殺されるのは本望だ。台湾の骨を埋めることが出来る』と言った。あなたの同胞は決して台湾を支那共産党に渡すことはしない。」

黄正澄氏(喪主)「生前、父は『死んでも台湾を護る。魂になっても護る。大志は何時の日か実現する』と言っていた。父の大志は若い人々に引き継がれ何時の日か成就する。台湾海峡の近くの台南の墓地に、母と祖父・祖母と共に眠っている。」

黄文雄拓殖大学客員教授・前台湾独立建国聯盟日本本部委員長「黄昭堂氏の後、私は十二年間日本本部委員長を引き継いでいた。羅福全元駐日台湾代表は、代表を辞めた後、台湾独立聯盟に巨額の寄付をして活動をしている。台湾独立運動は黄昭堂氏の人生そのものだ。人が嫌がることは自分やり、人がやりたいことは人にやらせる人だった。『世界史の中でも稀な人』と周英明氏は言っていた。」

           ○

黄昭堂氏に初めてお会いしたのは、昭和四十年代後半のある年であった。新宿区富久町の台湾独立聯盟日本本部であった。長い時間色々お話を伺った。以来ご厚誼をいただいて来た。李登輝総統のもとで、台湾が民主化された後、黄先生は台湾に帰られ、母国で台湾独立運動に挺身された。台湾でも一回お会いした。日本に居られた時と同じように、ショルダーバッグを下げておられた。登壇者の方々に言われたように『私心』のない方であった。民進党政権下で政治家・政府高官になることも可能であったが、在野で活動された。

台湾独立はいまだ実現していない。しかし、今は亡き王育徳・黄昭堂両先生の念願は必ず実現すると信ずる。

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