« 千駄木庵日乗十一月七日 | トップページ | 千駄木庵日乗十一月八日 »

2011年11月 8日 (火)

金田秀昭元海上自衛隊護衛艦隊司令官の講演

十一月五日に行われた『アジア問題懇話会』における金田秀昭元海上自衛隊護衛艦隊司令官の講演で印象に残った話次の通り。 

              ◎

「海の脅威は日本周辺のみを考えても始まらない。『テームズ川は日本の海に繋がる』と言われる通りだ。中国は海に進出した歴史は若干あるが、これまで大陸国家だった。中国のこれまでの海軍は水軍だった。日清戦争の時も、清の艦隊は日本艦隊にやられた。中華人民共和国建国時の海軍は陸軍の補助として海岸のパトロールが精一杯だった。

中ソ対立が起こり、軍事闘争にも発展しかねなかった。毛沢東は海洋による生存という手法をとり、海から物を運び交易を行なう組織的海洋進出に目を付けた。海上交通路を確保せんとした。鄧小平は改革開放と同時に、『国連を中心とする海洋法会議が大国に独占されている』という海洋ナショナリズムの大演説をした。その結果、米英が妥協して持たざる国が有利になった。

劉華清海軍司令は非常に能力があった。国防科学技術を発展させた。シーパワーによる国力伸長を国家の方針にした。この人の流れが今日の中国のやり方。海洋覇権を確立し中華大国にする。

日本は東シナ海から日本は絶対に引いてはならない。中国が『南シナ海は核心的利益』と言ったら、アメリカは激しく反発し、『南シナ海はアメリカの国益ととらえる』と言った。アメリカとベトナムは安保上の協力関係を強固にしている。

海洋安保は一国のみに非ず。海洋係争は対岸の火事に非ず。自律的防衛強化・日米同盟深化・地域協盟拡大・海洋立国基盤の四つが必要。

領域警備は海保が行い、領域防衛は海自が行う。海自は要請があれば海上警備行動を発令できる。しかし実際に取り締まるのは困難。能登半島の不審船の時、漁業法違反で取り締まった。海保は命懸けでやっている。法の整備が必要。

日本の外務省に領土問題での統一戦略があるのか。法に基づく一貫した政策を作るべし。国際海洋法裁判所裁判長に柳井俊二さんが就任した。この方がいる時に領土問題の白黒をつけるべし。この機会に『押せ押せ』で行くべし。

国防を最優先するという考えが民主党にも自民党にもない。TPPは第三の黒船。今、過去の恩恵に浴している日本だけでは解決できない問題が起こっている。TPPを好機ととらえて経済と安保とをリンクさせ、新しい日本像で活性化すべし。東日本大震災の復興とTPPとをかけ合わせるべし。経済基盤が新しい形で成り立てばいい。日本人には知恵がある。しかし政治家には知恵がない。」

             ◎

アメリカとベトナムは安保上の協力関係を強固にしているという。ベトナム戦争とは一体何だったのであろうか。

|

« 千駄木庵日乗十一月七日 | トップページ | 千駄木庵日乗十一月八日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/53190350

この記事へのトラックバック一覧です: 金田秀昭元海上自衛隊護衛艦隊司令官の講演:

« 千駄木庵日乗十一月七日 | トップページ | 千駄木庵日乗十一月八日 »