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2011年9月20日 (火)

この頃詠みし歌

静かなる病室に眠る父上のやすらぎの顔に我もやすらぐ

熱を出し苦しむ父に手を当ててひたすら祈るほかにすべなし

熱のある父の額と首筋に手を当てにつゝ神に祈るも

老いませる母の手を取りエレベーターに乗りて我が家に帰り着きたり

あれほどに活発なりし若き日の母を思ひて胸迫るなり 

夜の更けにひとりもの書く時にしも冷蔵庫の音が聞こえ来るなり

旅ゆきし昔を偲ぶ十津川に水の禍(まが)あり悲しきろかも

霧にけぶる玉置神社に参りたる思ひ出遠し神秘なる山

煙草吸へば厚労大臣の顔が浮かび来る 今ぞまさしく節煙の時

不安なる心を何とか打ち消さん その思ひにて仰ぐ月影

一人立ち空を仰げば今日といふ日は暮れてゆく我は生きゆく

わけのわからぬ話を聞きて辟易す 蒸し暑き日の午後なら尚更

満月は我の心を見透かすか 恐ろしきまでに煌煌と照る

わが心清めるが如く煌煌と満月の光を降りそそぎゐる

佳き人の面影偲ぶ夜の道 見上げれば満月が冴え返るなり

殆どが友人知人の集ひゆゑ心のどかに杯を重ねる

生れてより六十四年を千駄木で暮らし来たりて心たらへり

流されゆきし人々の事を思ほへば天譴などとはいはれざりけり

怒りあり不安もありて日々(にちにち)を過ごせど生きゐることを諾ふ

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