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2011年7月12日 (火)

安倍晋三元総理の講演

七月六日午後七時より、永田町の自由民主党本部にて開催された『修学院政経セミナー』において安倍晋三元総理は「戦後レジュームからの脱却」と題して次のように語った。

「膝を交えて激論を交わしつつ考えるのが政治の原点。震災復興の財源を得るために増税するのは間違っている。今年中に九州電力の原発はゼロになる。九州は、消費電力の四割は原電に依存している。九州の企業はリストラを始めている。そうした中での増税は間違っている。経済成長をせずに経済再建した国はない。

損得を超える価値の基準がある。それは家族であり、故郷であり、日本である。命を懸けなければ家族・故郷・国を守ることはできない。命を懸けるべきものの再発見が大事。マッカーサーは日本を再起できない国にしようとした。

北朝鮮は暴発しない。金正日は暴発したらアメリカがトマホークをどんどん撃ち込むと分かっている。

『日本国憲法』には『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ』と書かれている。これは敗戦国家の詫び証文にすぎない。

一九七七年のダッカ日航機ハイジャック事件で日本は自衛隊を送ることができなかった。『人命は地球より重い』と言って、獄中メンバーの釈放に応じた。ドイツは同じ敗戦国でありながら、テロリスト全員を射殺した。

北朝鮮が日本人を拉致したと判明しても、日本の警察は北朝鮮との関係を慮って発表しなかった。この時、日本が北朝鮮に抗議していれば、横田めぐみさんの拉致は起こらなかった。アメリカ人が北朝鮮に拉致されたら、アメリカは海兵隊をピョンヤンに派遣して占領するだろう。

戦後レジュームから脱却しなければ誇りある国にはならない。自由と民主主義は国があるから担保できる。誰かが国を守るために命を懸けねばならない。外交とは国益の確保。『現行憲法無効論』は理論的にはそうだが、政治的には通らない。

大震災で日本の素晴らしさ、特性を経験した。天皇陛下が被災地に足を運ばれるお姿を見て多くの人々が感動した。千年以上国民の安寧を祈って来られた家系だからこそ感銘を与える。『お言葉』で、自衛隊・警察・消防と具体的に名称を挙げられた。

宮内庁は、陛下とは自衛隊との距離を広げようと頑張っている。陛下は、栄誉礼の時閲兵を受けられない。勲章も、自衛官には低く出されていた。私が官房副長官の時にそれを変えた。

天皇陛下は、東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば』で、『何にも増して,この大災害を生き抜き,被災者としての自らを励ましつつ,これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています。』と仰せになった。明治天皇は、『しきしまの大和心のをゝしさは
 ことある時ぞあらはれにける』と詠まれた。昭和天皇は、終戦翌年の歌会始で『ふりつもる み雪にたへて いろかへぬ 松ぞををしき 人もかくあれ』と詠まれた。「雄々しさ」という言葉は、明治陛下も、昭和陛下も、今上陛下も、ここぞという時にお使いになる。

アメリカの日系政治家であるジョージ・アリヨシ氏(ハワイ州知事を務めた)は、終戦直後東京GHQの通訳として勤務された。靴磨きの少年と親しくなり、腹を減らしているその少年にサンドウィッチを渡した。その少年は『有難う』と言って、それを道具箱にしまった。そして『家に帰って三歳の妹にあげます』と言った。アリヨシ氏は、『みすぼらしい身なりをしているが、妹への優しさと凛々しさとを持つ少年と、同じ日本民族の血が流れていることを誇りを持った』と語った。こういう少年が居たことは戦前の日本の教育の結果である。

民主党に日本を預けておくわけにいかない。民主党にも保守派はいるが左翼政権。企業対消費者、国民対市民、国対地方と対立的にとらえる。自民党は、日本伝統文化を大切にする。大切なものを守るために改革していく党である。党の『綱領』がしっかりしている。山口県知事は、『菅さんを長州出身とは認めない』と言った。」と語った。

        ○

ジョージ・アリヨシ氏と靴磨きの少年との話は、涙なしに聞くことはできなかった。

自民党の中にも、民主党左派と同じような考えの人がいる。自民党政権時代にも、國體・教育・国防・靖国神社問題などで、国を危うくすることが行われた。しかし、今の民主党政権よりはましであることは確かである。国歌を歌うことを拒否し、国旗・国歌法制化に反対した人物が総理をやっているよりは、自民党の方がましである。

と言うよりも、一回政権を離れ、民主党政権のあまりのひどさを目の当たりにした自民党が真正保守に回帰することを期待したい。その旗手の一人が安倍晋三氏であろう。ともかく民主党政権は一日も早く打倒せねばならない。

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