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2011年6月22日 (水)

日本ウズベキスタン協会「特別シンポジウム」における登壇者の発言

六月十八日に行われた日本ウズベキスタン協会主催の「特別シンポジウム 三・一一後の日本の世界を考えるー日本の未来―大震災・イスラム・文明の転換」における登壇者の印象に残った発言を記します。

田中正明氏(元電力会社役員)「六十七歳だが、ボランティア活動を受け入れてくれたので、四月下旬に石巻・塩釜に行った。海の汚泥と下水の強烈な匂いと埃が凄かった。これはテレビ報道では実感できない。塩釜は消毒の匂いが凄かった。石巻では高台から市内を見ると全てがなぎ倒されていた。IAEAを通してきちっと対処すべし。日本に合った形での原子力のあり方が問われている。阪神淡路大震災の六千人の死者のうち一千人は震災の後に亡くなっている。お互いに助け合うことが必要。日本は年間三万人も自殺者が出ている。英雄待望論はやめた方が良い。テレビは料理番組が多すぎる。取材しないでいいし金もかからないからだろう。高齢者の働ける社会にしたい。」

グレン・フクシマ氏(基米政府日本部長・エアバスジャパン会長)「三月十一日は東京にいた。四月下旬にアメリカに行った。海外から日本への同情と支援があった。ボストンなどでも募金活動が行われた。日本国民への評価が高く、日本のリーダーへの批判があった。三月下旬、私の住んでいる東京のマンションの外国人の八割は祖国に避難した。日本政府の国内国外に対する発信が有効ではなかった。地震・津波で海外からの観光客で悪影響が出ると懸念しているが、日本では切迫感がない。今回の震災で日本が変化するかどうかが注目されている。日本のテレビは事態を沈静化せんとしている。外国のメディアは危険性を報道している。『ニューヨークタイムズ』は最初から東電批判を行った。日本のメディアはしなかった。政治家・監督官庁・電力会社の関係がおかしい。『ニューヨークタイムズ』は十数人の記者を日本に送り込んだ。かなりの体制。日本のメディアの報道への不信があった。政権交代で日本は変わると言った人が多かったが、日本が良くなったと言う人はあまりいない。三・一一によっても日本は変わるのか。さらに内向きになるのか。政治・企業のリーダーが育っていない。指導力がないのが大問題。」。

西川恵氏(毎日新聞専門編集委員)「日本政府が再三要請してもサルコジ大統領は日本に来なかった。大震災の後すぐに来日した。フランスは原発制御技術を持っていることをアピールし成功した。汚水処理にもフランスの技術がかなり入っている。フランスは徹底した安全のための準備をしていた。テロも想定している。日本の在外公館は、外国の間違った報道に対して訂正を申し込んでいるが、これは防衛的。フランス大使はこれまで八回も日本のテレビに出ている。日本政府は国民や海外に語りかける競争で圧倒的に負けている。宣伝戦において日本は負けている。中国の最大の問題は人口増加。北アフリカはヨーロッパの安保上重要な南翼。トルコ・リビアに対するヨーロッパの外交は失敗した。北アフリカとの関係を再構築しなければならない。今回の原発事故の心理的影響は極めて大きい。九十五年のサリン事件と同じ。北東アジアの外交環境は厳しい。圧力が強まる。その時の日本の政治家の指導力が問題。政府の執行力を強めるべし。効率の良い政府をつくるべし。多数を制した政党にある一定期間政策を執行せるべし。」

飯塚正人氏(東京外語大教授)「三月十一日の地震発生時はシベリア上空にいた。CNN・BBCは、一時間のニュース報道のうち、三十分が原発、二十分が地震、あとの五分がリビアと天気予報など。日本とは全く温度差がある。メルトダウン(炉心溶解)でもう日本へは帰れないと思った。福島県は危険の中で、命懸けで取り組んでいる。エジプトは、実権は軍が握っている。軍と新しいイスラム政党とのバランスが問題。アフリカも中東も中国の進出ぶりが凄い。根付き方が違う。中国人はいきなり農業をやって根付いてしまう。リビアが内戦状況になって、中国人は大量に脱出した。ロシアの影響力はかつてのソ連より弱くなっている。既得権益はほとんどなくなっている。中国のプレゼンスは大きくなる。日本人は内向きになっている。若い人が国内のことしか見ない。もう一度外に目を向け、外国に出かけていかねばならない。」

嶌信彦氏(日本ウズベキスタン協会会長)「このままほっておくと東北は衰退する。日本は近代化によって途上国から先進国になった。日本の歴史・伝統・四季の変化による感性の豊かさ、日本の良さを世界に訴えていきたい。凛とした国・徳のある国になるのがこれからの日本の生きる道。」

          ◎

睡魔と闘いながらのメモなので、書き漏らしたことがたくさんあるのが残念であります。ともかく、日本はこの試練を乗り越えなければならない。日本の歴史は多くのそして大きな試練を乗り切ってきた歴史である。今回の試練を乗り切ることができると確信する。否、乗り切らねばならないのである。大化改新・明治維新を見ても、わが国は国難を国家変革の起点にしてきた。

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