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2011年6月13日 (月)

「アジア問題懇話会」における吹浦忠正氏の講演

昨日行われた「アジア問題懇話会」における吹浦忠正氏の講演内容は次の通り。

「昭和十六年生まれで、七十歳になった。戦争を知らない子供たちの一期生。大学入学の時が第一次安保。大学生に意識調査をしたら、九六人中二一人が大東亜戦争を知らなかった。一六人が日米戦争では日本が勝ったと答えた。真珠湾は三重県にあると答えた学生もいた。

海外が見える領土の一つが北方領土。稚内に『日本最北端』という碑がある。稚内市長に抗議したら、『あれだけが観光資源』と言われた。与那国からは台湾が見える。納沙布岬から貝殻島が手に取るように見える。

国後島は沖縄全島を合わせた広さと同じ。択捉島はもっと大きい。一九四五年にソ連軍は北緯五十度を越えて南下。真岡に艦砲射撃を行った。豊原にあった樺太庁の最後の長官・大津敏男氏は、本内閣調査室長の大津英男氏の父上。樺太には三百人の残留日本人がいた。韓国人は四万八千人いた。これ人たちは強制連行で樺太に来たのではない。一肌脱ぎの人々。北方四島では無抵抗で武装解除された。

一九五九年のサンフランシスコ条約で千島列島は放棄した。北方領土問題は、国家の尊厳と国民の矜持が第一。領土交渉は時間を要する。共同統治はうまく行ったためしがない。日本からそんなことを言っては駄目。

私は占守島までが日本のものと思っている。はじめから四島返還で交渉するのでは駄目。平成五年(一九九三)の『東京宣言』が重要。具体的に四島の名をあげ、その帰属の決定には①歴史的・法的事実に立脚し②両国の間で合意のうえ作成された諸文書及び③法と正義の原則を基盤としてという三つの原則によることが明記された。

メキシコとアメリカの間のリオグランデの領土問題解決に一〇四年かかっている。KGBは日本の内部分裂を狙っている。日本側からロシアに対してカードを出すのは間違い。『四島一括全面返還で平和条約』という確固たる姿勢を継続すべし。

領土問題を各国語で世界に発信すべし。日ロ両。国の政治状況が安定するのが『天の時』。それまでは『人の和』を図り様々にシュミレーションをし、叡智を結集しながら時を待つべきである。毎年首相が変わる國に外交は出来ない。鳩山さんは日ロ外交が家業だと思っている。鳩山さんは二島と言ったり四島と言ったりその都度いうことが違う。

ロシアは選挙が近くなると愛国心を謳歌する。メドベージェフは、プーチンがやらなかった北方領土上陸を行った。あまりに開発が遅れているのに驚いた。国後島には街灯が二四個しかない。道路は一本も舗装されていない。前原前外相は北方領土まで行けばよかった。小池百合子・鈴木宗男・尾身幸次の各氏は行った。

菅内閣では官邸が外務省の言うことを聞かなくなった。外交問題のレクチャーに行った外務省の局長に菅総理は八ッ場ダムの話をしだしので『私は外務省です』と『帰れ』と怒鳴られたという。菅さんの国家間の無さはひどい。しかし、小泉も福田も麻生も外交は駄目だった。安倍晋三以外は駄目だった」。

司会の澤英武氏は「ロシアとは一切交渉せず、ロシアの不法性を世界に宣伝するべし。菅政権は瓦礫のようなもの。本人がどかないと言っているのだからなお困る。官僚に身命を賭して首相に諫言する人がいない」と語った。

         ○

「南樺太全千島」が、わが国がロシアから奪還すべき「北方領土」である。決して北方四島のみではない。吹浦氏の主張は正しい。

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