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2011年5月 6日 (金)

「新しい憲法をつくる国民大会」における登壇者の発言

五月三日に行われた「新しい憲法をつくる国民大会」における登壇者の発言は次の通り。

清原淳平国民会議会長「日本が中国や韓国に侮られるのは現行憲法第九条に問題がある。何をやっても反撃される心配はないと相手が考える。改正が急務。第九条には学者によって十八通りに解釈が分かれる。小学校高学年でもわかる条文であるべし。国防軍として武力を行使すると明記せよ。国の安全を保つのが最大の福祉。現行憲法には、国家緊急事態宣言や危機管理規定がない。占領下に作られたので、そうした事態があれば占領軍が対処するので日本政府が出ないでもよいとされた。国家緊急事態ないし危機管理について、諸外国憲法は誰がその指揮を執るのか明記しているが、日本国憲法にはそうした規定がない。憲法に『内閣総理大臣が国家緊急事態を宣言し、緊急命令を発することができる』と規定すべし。『日本国は、独立と安全を守り、侵略に対抗し防衛する権利を有する』と明記すべし。」

高乗正臣平成国際大学教授「国家第一の役割は国民の生命・自由・財産を守ること。現行憲法第十三条は、国家の自衛権と警察権の根拠規定。元官房長官の『自衛隊暴力装置』発言、経産大臣の『消防官処分発言』などは自国の防衛を他国に依存してきた戦後の憲法感覚の表れ。昨年から今年のかけての『内憂外患』は現行憲法の持つ二つの致命的欠陥を顕在化した。第一は、『国家緊急権』ないし『非常事態規定』整備の必要。第二は、憲法第九条改正の必要。国家の緊急時においては、国民の生命・財産を保護するため、一種の権力の集中が不可避。現行憲法第九条をどのように解釈しても現在の自衛隊を合憲とすることは極めて困難。現行憲法第九条について宮沢俊義は『自衛権は戦力や武力の行使を伴わない方法によってのみ発動を許される』と解釈した。田畑信夫は『戦力的手段以外の政治的外交的手段による』と解釈した。和田英夫は『警察力、民衆の広範なレジスタンス的組織活動などの諸実力』と解釈した。昭和四十八年の長沼ナイキ基地訴訟第一審判決には『自衛権を有しこれを行使することは直ちに軍事力による自衛権に直結しなければならないものではない』とし、『平和時における外交交渉によって外国からの侵害を未然に回避する方法』『警察を以てこれを排除する方法』『民衆が武器を持って抵抗する軍民蜂起の方法』のほか『侵略国国民の財産没収・国外追放』などを指摘した。こういう解釈からの脱却が必要。武力なき自衛権論は世界の何処の國にもない。武力なき自衛権論は成り立たない。国連憲章第五一条には自衛権は『武力攻撃が発生した場合』のみに発動を許されるとある。自衛権の発動は当然に武力の行使を前提とする。憲法九条の政府解釈は欺瞞的。戦力とは自衛のための必要最小限を超えるもの、自衛力とは戦力に至らないものという『循環論法』に陥っている。『戦力にあらざる自衛力』という概念は法的概念としては認められない。外敵の武力攻撃に対して国土・国民を防衛するという目的にふさわしい装備を有する実力部隊が軍隊であり、この定義からすれば、自衛隊は戦力に該当する。国際協調と平和主義の理念を高く掲げつつ、正規の手続きを踏む憲法改正の是非を国民に問いかけるべし」。

秋元司前参院議員「普天間問題がロシア・中国から侮辱受けた原因。辺野古移転で合意したのにそれを破棄した。日米同盟の絆が壊れつつあった。独立国家の基本は自分の國は自分で守ること。自衛隊について憲法上の担保が示されていない。憲法に軍という位置づけを明記すべし。曖昧模糊とした形で自衛隊が存在しているのは士気にかかわる。」

中川雅治参院議員「東日本大震災における宮城県の瓦礫の量は同県の一般廃棄物の二十三年分の量に相当する。復旧・復興には強力なリーダーシップと国の財政支援が必要。菅総理はもっとリーダーシップを発揮して迅速に対応をしてほしい。国家緊急事態に対する態勢が全く整えられていない。三月十一日に衆議院が解散されていたら大変な事態になっていた。現行憲法は国家緊急事態を想定していない。現行憲法は占領憲法なので、国家緊急時代は占領軍が対応すると考えられていた。緊急事態についての規定を作るべし。明治憲法は整備されていた。憲法を改正すべし」。

下村博文衆院議員「日本を立て直さなければならない。そうでなければ犠牲者に申し訳ない。津波が来た地域を国有地として国が買い取り、高台に高層住宅を作り住民に住んでもらうようにしたい。しかし住民が元の所に住宅を作るのを行政は拒否できない。それでは元の木阿弥になってしまう。自衛隊は、地震発生の翌日から今日まで野宿・テント・寝袋で貢献している。自衛隊の救援活動をマスコミは正しく報道しない。憲法改正によって自衛隊を正しく位置づけることが大事。三・一一以降、意識変革が起きてきている。憲法第九十六条を改正して、二分の一で改憲できるようにする動きがある。国会議員を三割削減する。大選挙区制の一院制にする。スピーディーな国家運営が求められている。」

桜内文城参院議員「原子力災害は一カ月たっても展望が見られない。誰が意思決定しているのか見えない。国家緊急権の規定が憲法にない。旧憲法には第十四条にあった。戒厳令・緊急勅令の規定があった。民主党政権は自衛隊に頼りたくないから安全保障会議が開催されていない。復興会議を設置する意味があるのか。菅内閣は法の支配を軽視している。尖閣問題で船長の処分を決めたが、指揮権発動をしたくないので、検察に裁量権を逸脱する判断をさせた。菅内閣は災害を悪化させ復旧を遅らせている。文部科学省と経済産業省の縦割り行政で日本原子力研究開発機構と原子力安全保安院との協力が出来ない。東電に全ての責任を押し付けている。憲法とは、政府の意思決定の仕組みを考えるもの。第九条を守って、国民の生命・財産・自由を守ることができなければ改正すべし。」

平沢勝栄衆院議員「今回の災害で、韓国の大統領は『日本政府は無能』と言った。自民党は指揮系統がしっかりしている。民主党政権は役人の使い方を知らない。菅総理は『ドラム缶』ならぬ『怒鳴る菅』と言われている。あっちこっちに行って怒鳴り散らすだけ。民主政権と自治体・外国との関係がうまくいっていない。今の政権には国家観がない。官房長官は革マルと関係がある。副長官は『自衛隊は暴力装置』と言った。総理は『国旗・国歌法』に反対し、『国歌』を歌うことを拒否した。こんな連中が政権を持っているから憲法改正が進まない。『諸国民の公正と信義に信頼して自国の生存と安全を保持する』と言うのなら、自分の家に鍵をかけるな」。

      ◎

今年の大会にも、民主党議員は一人も参加しなかった。公明党議員も参加しなかった。参加して堂々と所信を披露すべきであった。憲法問題に正面から取り組む意思がないのである。

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