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2011年4月16日 (土)

上御一人の御祈り

第一〇三代・後土御門天皇の御代は、応仁文明の乱・疫病の流行・大火大地震などがあり、國民は疲弊し、朝廷の衰微も極に達した。崩御になられた後、御大葬は行はれず、御遺体を宮中に御安置申し上げたまま四十九日に及んだといふ。この時もまた未曽有の國難であった。この國難に際して、後土御門天皇は御宸筆の「般若心経」を伊勢の皇大神宮に奉納し、聖算長久、武運安全、兵革静謐を祈願された。

後土御門天皇は、明応四年(一四九九)に次のような御製を詠ませられた。

「伊勢   

 にごりゆく 世を思ふにも 五十鈴川 すまばと神を なほたのむかな」

この御製は聖天子の篤き祈りの御歌である。いかなる濁れる世、乱世であっても、否、そうであればこそ、上御一人日本天皇は、神の祭祀、祈りを深められた。そしてその事が、日本國再生の基となった。

今日の日本も「にごりゆく世」である。本来の日本の清き姿に回帰することを日本國民は神に熱祷しなければならない。 

この度の東日本大震災において、天皇皇后両陛下は、國民に惨禍を深くお悲しみあそばされ、國民と苦難を共にせられ、そして一日も早い被災地の復興と國民の立ち直りを神に祈られる祭祀につとめられてゐると承る。また、地震直後の三月十六日には、被災者・國民に対して優渥なる「お言葉」を賜った。全てのお言葉に、今上陛下の仁慈の大御心溢れてゐる。「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思ひます」とのお言葉にとくに感銘した。天皇皇后両陛下におかせられては、陛下のお言葉通りに被災者の苦難を分かち合うべく努力をされてをられる。有難き限りである。

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