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2011年4月23日 (土)

杉嶋岑氏著『北朝鮮抑留記』について

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杉嶋岑氏著『北朝鮮抑留記』草思社発行

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杉嶋岑氏著『北朝鮮抑留記』は、五回にわたって北朝鮮を訪問し、色々と取材活動をしていた元日経記者の杉嶋岑氏が、五回目の訪朝で北朝鮮当局に身柄を拘束され、二年半にわたって抑留生活を送った記録である。

三百六十ページという大部の本なのでまだ拾い読みしかしていないが、杉嶋氏に情報提供を要請した我が国の政府機関に杉嶋氏が話したことを、北朝鮮の情報機関が把握していたという恐るべき事実が書かれている。わが国調査機関に北朝鮮のスパイが潜入していたということである。さらに抑留中、杉嶋氏の東京の留守宅が工作員に侵入され、北朝鮮に関する資料が物色されたこと、日本の某大手銀行の杉嶋氏の口座の取引内容も、北朝鮮の取調官が把握していたことなどが書かれている。まことに衝撃的な内容である。

杉嶋氏とはかれこれ七八年前からの知り合いである。色々な会合に出席されては、写真を撮りまくっていた。正直な話、怪しい人物と思っていたが、名刺交換し話すようになると、明るく面白い人物であり、北朝鮮に抑留されていたことを知った。今日の出版記念会で祝辞を述べた方が、「杉嶋氏は変わり者であると共に、記録マニア」と評していた。五回も訪朝して、カメラとビデオで撮影しまくり、そのうえ、日本の公安機関と接触があったということで、抑留されたということなのだろうか。本人は興味のあるところを撮影しただけで全くスパイ活動をしたとは思っていないと言っていた。大らかな人物なのである。今日も自分の祝賀会なのに、会場内をカメラで撮影しまくっていた。

杉嶋岑氏著『北朝鮮抑留記』は、力作であり、北朝鮮の実情・日本への不法な工作を知るには大変良い本である。

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