« 杉嶋岑氏著『北朝鮮抑留記』について | トップページ | 千駄木庵日乗四月二十三日 »

2011年4月24日 (日)

『東京財団フォーラム』における登壇者の発言

四月二十一日午後三時半より、赤坂の日本財団ビルにて行われた『東京財団フォーラム・オバマ政権の対中戦略の大転換』における登壇者の発言は次の通り。

         ◎

久保文明東京財団上席研究員・東京大学教授「日本と中国とは、東シナ海で対立関係にあっても経済的には互恵関係にある。中国とは領土紛争を抱えている。アメリカでは中国は経済発展しても悪くなるという悲観的見方が増えている。北朝鮮に対して中国と一緒に対処していくことに躊躇している人が多い。中国が今の行動を続ける限りアジアの安定はない。四川大地震の時、中国は日本の自衛隊の派遣を断った。アメリカ軍の東日本大震災に対する支援活動は、条約上の義務ではない。フレンドシップ。日米は条約以外においても同盟関係にある。今回は大事な前例になった。」

川上高司東京財団「現代アメリカ」プロジェクト・メンバー、・拓殖大学教授「二〇一〇年にオバマの対中政策が変化。胡錦濤の一月訪米をどう評価するのか。東日本大震災以後、アメリカの対中政策はどう転換するのか。オバマ政権前期は、イラクとアフガンからの撤退を実現するためにアジアへの関与を低下させた。中国重視・日本軽視だった。太平洋の真ん中で、米中で分けようという中国の提案をアメリカは蹴った。オバマ政権は、対中強硬路線へ軌道修正。軍事力をアジアにシフトした。台湾へ武器売却し、ダライ・ラマをホワイトハウスに招聘した。中国は『南シナ海は中国の核心的利益』とした。『核心的利益』という言葉はこれまで台湾とチベットにしか用いなかった。南シナ海での中国の覇権確立にアメリカは反対。二〇一〇年十二月の我が国の『新防衛大綱』では、中国を地域・国際社会の懸念事項とし、当初防衛を最重要課題の一つとした。米国の対中ヘッジ戦略と重ね合わせて対中抑止力を強固にし、日米同盟を深化させるとした。日本には、南の脅威西(中国)、北の脅威(北朝鮮)、北東の脅威(ロシア)があるとした。一万数千キロの外周を独自防衛は不可能。日米同盟は不可欠。北海道の自衛隊を二師団、二旅団を南西にシフトする。中国海軍が第一島嶼線を突破し、第二島嶼線まで抑えられれば、日本は海底・海洋資源の確保だけでなく、島嶼防衛は難しくなる。日米両国政府レベルの信頼性が欠けていた。ヒラリー・クリントン来日は、日本は大丈夫かを見に来た。また、日米関係重視の姿勢を示すために来日した。元大統領夫人として天皇皇后両陛下と会見した。日本の政権が不安定でリーダーシップがなくても日米関係は緊密。両陛下はクリントンに今回の支援についてお礼を述べられた。アメリカの日本に対する支援にはウラはない。友情として復旧活動をしている。菅さんは、クリントンに『一生忘れない』と言った。アメリカ人は短期間にものを考えるので楽観的。アメリカは中国が上に立つのを感情的に認めない。アメリカの前原辞任のショックは大きかった。」

渡部恒雄(東京財団上席研究員・外交安保担当ディレクター)「オーストラリアの首相は『アジアは安定してほしい。日本のことが心配。中国がこれ以上台頭するのは安定につながらない。』と言った。」

          ○

皇室の御存在がいかに偉大であるかをあらためて認識させていただいた。政権政党がいかにだらしなくとも、天皇陛下がおわします限り、日本の安定と対外的信頼関係が崩壊することはない。アメリカのオバマ大統領が来日した際、天皇陛下に対し奉り深く敬礼した姿、そして今回のヒラリー・クリントン国務長官の両陛下との会見を観て、そのことを実感した。

|

« 杉嶋岑氏著『北朝鮮抑留記』について | トップページ | 千駄木庵日乗四月二十三日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/51476228

この記事へのトラックバック一覧です: 『東京財団フォーラム』における登壇者の発言:

« 杉嶋岑氏著『北朝鮮抑留記』について | トップページ | 千駄木庵日乗四月二十三日 »