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2011年3月31日 (木)

原発について考える

今回の原発事故の背後に見え隠れするのは、政府と電力会社の関係者から成る閉鎖的な「原子力村」の姿である。電力業界だけでなく、政府の担当部門も巻き込んで、歪んだ仲間意識を育ててきたのではないか。

さらに原子力発電の経済性重視の流れが安全軽視に結びついていたのではないかということを示唆する。「結果として安全なら情報公開が不徹底でもいい」という考え方があったとしたら問題である。

ものの本で読んだのだが、東京電力の事業の原点は、民間のベンチャー企業として、電力事業に挑戦したことであるという。その事を東電は誇りにしている。トーマス・エジソンが世界で最初にロンドンとニューヨークで電気供給企業を開始したのが一八八二年の翌年には、早くも東電の前身東京電灯が設立され、電気の供給を始めた。民間のベンチャー企業として、電力事業に挑戦したことは同社の誇りだったという。

弱肉強食の創業期、戦時の国家管理時代、現在の十電力体制に至る百二十年間の歴史を持つ東電の事業の原点の一つを挙げるなら「安定的で低廉な電力供給」ということになるといわれている。この「電力の安定供給」というのが曲者で、このために安全性や公開性が軽視されてきたという見方もある

これまで東京電力の原子力発電の建設に協力し、また経済的にも利益を得て来た福島県にとって、今回の事故は深刻な問題である。「原発是か非か」の議論をもう一回基本からやり直すしかない。

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