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2011年2月20日 (日)

『皇室典範』改正問題について

以前、『憲法懇話会』で憲法学者の高乗正臣氏平成国際大学教授から、『皇室典範』改定問題にかかわる重要なご教示を頂いた。

宮沢俊義氏(故人・憲法学者、東大教授)は、戦前の同氏の著書『憲法略説』で、

「大日本帝国は萬世一系の天皇永遠にこれを統治し給ふ。これわが肇国以来の統治体制の根本原理である」「国家固有・不変な統治体制原理は国家成立と共に存するのであり、成文法の規定を俟ってはじめて存するのではない」「憲法第一條等の規定はすでに存するわが国家の根本原理を宣言したもので、創設的意味をもつものではない。…國體の原理は帝国憲法または皇室典範によって基礎づけられてゐるのではなく、反対に帝国憲法または皇室典範が、従ってまたわが国法の全体がそれによって基礎づけられてゐると考ふべきである。」「皇室典範の改正は帝国議会の議を経るを要しない。皇室典範は皇室自ら皇室の事を制定す。臣民の公議に付すべきにあらず。それは帝国議会の参与が許されぬことを意味する。ここで帝国議会の参与が排斥される理由について、『憲法義解』はその憲法第七四條の註において『皇室典範は皇室自ら皇室の事を制定す。而して君民相關かるの権義に非ざればなり』といひ、さらに皇室典範第六二條の中において『皇室の事は皇室自ら之を決定すべくして之を臣民の公議に付すべきに非ざればなり』といってゐる。」

と論じてゐるといふ重要な御教示を頂いた。

小生は、「戦後、『皇室典範』が『憲法』の下位法になり、皇位継承といふ皇室の重大事が権力機構である国会で決められしてまふやうになったのは國體隠蔽である」とかねてより主張してきた。戦後は全くおかしな憲法論議を行った宮沢俊義氏も戦前においては小生と同じような事を言っていたのである。高乗正臣氏のご教示に感謝する。

皇室の事柄を政府・国会で決めるのは、権力が権威を、俗が聖を、権力国家が信仰共同体国家を、政体が國體を規制する事となる。これは國體破壊であると言っても言い過ぎではないと思ふ。

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