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2010年12月12日 (日)

女性は祭祀を行うことができないという主張は誤り

来年早々に行われる「國體政治研究会」で小生が話をさせていただくことになったので、少し祭祀のことを勉強している。神祭り・祭祀は、女性は行うことができないという主張がある。これは大きな誤りである。古代日本においては、むしろ女性が祭祀を行っていた。斉明天皇・持統天皇をはじめ女性天皇も祭祀を執行あそばされていた。

新嘗祭を歌った「萬葉集東歌」に、

にほ鳥の葛飾早稲(わせ)をにへすともその愛しきを外(と)に立てめやも (三三八六)

という歌がある。通釈は、「(にほ鳥の・枕詞)葛飾の早稲を神饌として供へる祭事の夜でも、あの愛するお方を外に立たせてはおかれやうか、立たせてはおかれない」といふ意。

「にへすとも」の「にへ」は、神に捧げる食べもののこと。「にへす」は、その年の新穀を神に供へて、感謝すると共に来年の豊饒を祈る新嘗の祭を行ふこと。古代の農家は、家毎に新穀を供へて物忌みをして新嘗の祭を行った。その家の女性が、神主・祭り主となって、神に新米を供へる新嘗祭を行って、男たちはその期間中家にゐることは許されなかった。女性は祭り主として家に残り、男は外に出かけたのである。

新嘗祭に奉仕する女性の物忌みは、奉仕の女性以外、家人は、親といへども、夫といへども、その家に入ることは出来なかった。家中の男を外へ出して、自分は祭主として神様に仕へてゐる。

そのやうに厳しい新嘗祭の物忌みも、愛する人のためならあへて侵さずにはゐられないといふ、恋する乙女の燃えるやうな情熱をうたった歌。愛する男を外に立たせてはおけないといふ歌である。

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