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2010年12月31日 (金)

憲法学者・伊藤正巳氏の逝去に思う

憲法学者の伊藤正己氏が逝去された。ご冥福を祈ります。

この方の著書『注釈憲法』(有斐閣刊)を持っている。それには次のように書かれている。

「(現行憲法は・注)国民が主権を持つこととした。その趣旨からいえば冒頭の章が天皇と題され、天皇に関する諸規定をおさめているのは適当とはいえない。」「国民主権の原理から言えば、国家の構成員のうちに身分的に特殊な地位を持つ者を認める天皇制は、それとあいいれない要素を含むと考えられる。」

明らかに「現行占領憲法」のいわゆる「象徴天皇制」すら否定しているのである。

さらに伊藤正己氏は、殉職自衛官を護国神社に合祀したことが政教分離原則や信教の自由に反するかが争われた「自衛官合祀訴訟」の大法廷判決(昭和六三年)では、合憲とした多数意見に対し、ただ一人反対意見を表明した人である。

こういう人物が、勲一等旭日大綬章・文化勲章を受章しているのだ。しかも、皇族に「憲法学」を御進講申し上げたのである。一体どうなっているのか。政府及び宮内庁は何を考えているのか。また、死者に鞭打つわけではないが伊藤氏自身の姿勢も納得できない。

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