« 千駄木庵日乗十一月十日 | トップページ | ビデオを公開した海上保安官は英雄であり模範的公務員である »

2010年11月11日 (木)

田久保忠衛氏の講演

田久保忠衛杏林大学客員教授は、『日韓文化協会・日台文化協会・昭和経済研究所共催によるセミナー』における講演で次のように語った。

「政治家が国際問題を全く分かっていない。一九六九年から一年ちょっと時事通信那覇支局長を務めた。その後、ワシントンに五年間いた。東京・那覇・ワシントンでは、ものを見るのが全然違う。当時の屋良朝苗琉球政府主席は、ウチナンチュはヤマトンチュに騙されたひどい目にあったというのが本音だった。アメリカは、中国への発信として沖縄の核抜きをとっくに決めていた。

荒唐無稽な『ユダヤの陰謀』を言う人が実に多い。民主党の国際局長をしていた藤田幸久氏は、『九・一はアメリカの自作自演』と言っていた。『ワシントンポスト』は『こんなことをいう人物が与党の国際局長なのか』と批判した。

福田康夫氏は、『友人の嫌がることはやりません。国家と国家も同じです。』と言ったが、国益と個人とは別。外交と軍事は同じもの。『憲法前文』なんて何の役にも立たない。中国の軍事力がなかったら、日本は中国を恐れる必要はない。

『非核三原則』『専守防衛』で日本は自分で自分を縛った。『軍事力を強くすると外交も強くなる。そして経済も良くなる。』というのが中国の意図。

九・一一は従来の国家対立とは対照的。誰が誰を何の目的で襲うかわからない。国家間同士の対立が存在しているのはアジア。太平洋とインド洋は危険な海であり続けている。中国は大陸国家であるとともに、長い海岸線を持ち天然の良港を持った海洋国家でもある。中国は崩壊するという願望と見通しを持っている人が多い。しかし一党独裁・警察・軍・公安という暴力装置を持った国が簡単に壊れないと考えた方が健全。十三億の人々の生活水準を引き上げた。これを下げるわけにいかないとすると、原料・エネルギー資源に敏感になる。インドは急速にアメリカに近付いている。

『普天間を国外か県外へ』と言った罪は大きい。EUは民主主義国でありキリスト教という接着剤がある。日本・韓国・中国にそんなものがあるのか。

『憲法』の前文や第九条ではこの世界は渡れないということが国民が分かってきた。『憲法』前文には、領海侵犯される、他国から侵害を受けるという前提がない。海上自衛隊が領海警備をする法律がない。

中国漁船が領海侵犯した時に中国大使を呼びつけて抗議をすべきだった。『日本の海保がぶつかって来た』という中国の発表に抗議しなかった。丹羽大使は相当オタオタした。第一ラウンドで中国が先手を取った。

温家宝に『船長を釈放しなければ、何が起こっても日本政府の責任だ』と言われて震え上がった。フジタの社員を拘束されて身代金を取られた。レアアースを輸出しないと言われてガタガタになった。『国内法に基づいて粛々とやる』と言っていたのに、船長を釈放した。第二ラウンドでノックアウトされた。事態は相当深刻。国民は、中国は普通の国ではないと思うようになってきた。菅政権は最初から逃げの姿勢。仙谷由人官房長官は、『日中両国の極端なナショナリズムは危険』と言って、それを逃げの口実にしている。

前原クリントン会談で、クリントンは『尖閣は日米安保の対象になっている』と言った。『安保条約』第五条の発動は武力攻撃があった時にしか発動しない。

自衛隊は軍ではない。出自が警察予備隊。『警察法』体系になっている。軍は国のバックポーンという考え方なし。『陸海空三軍を保持しない』『交戦権を有しない』という『憲法』を改正すべし。拡大解釈も限界に来ている。政治家を憲法改正に賛成か、反対かで色分けすべし。

永井陽之助氏は『経済大国・軽武装という吉田ドクトリンが戦後日本のプリンシプル』と言った。自民党宏池会と社会党がこれを推進した。普通の民主主義国家の持っている普通の軍を持つべしというのが私の見解。普天間問題の落とし所は今のところ無い。日本はこのままでは泥沼に入る。菅政権はつぶれる。吉田ドクトリンでは駄目という政治家を結集すべし。『戦後レジームからの脱却』と言ったのは安倍晋三。この精神に賛同した人々は突破口になる」。

|

« 千駄木庵日乗十一月十日 | トップページ | ビデオを公開した海上保安官は英雄であり模範的公務員である »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/49993939

この記事へのトラックバック一覧です: 田久保忠衛氏の講演:

« 千駄木庵日乗十一月十日 | トップページ | ビデオを公開した海上保安官は英雄であり模範的公務員である »