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2010年11月30日 (火)

『東京財団フォーラム・どうなる中間選挙後のオバマ政権』を聞いて

『東京財団フォーラム・どうなる中間選挙後のオバマ政権』における登壇者の話は以下の通り。

加藤英樹東京財団理事長「アメリカの中間選挙が終わって、日本のマスメディアは民主党敗北の報道で終わり、その後の分析が行われていない。オバマ政権は熱狂的支持でスタートしたが、二年のうちに支持率が低下した。政府は余計なことはしない方が良いというアメリカの伝統的考え方が原因なのか、経済が悪いのが原因なのか、よく分らない。日本の場合、戦後初めての本格的政権交代の後、菅政権は動きようがない状況。政治の揺れは、世界に共通して避けられなくなっている。最大のパートナーであるアメリカのことをよく知る必要がある。」

マット・デッカーDDPGlobal代表「オバマ政権は大きなトラブルに直面している。十一月二日に下院は大敗した。上院はそれほどでもなかった。ねじれ議会ができた。オバマが終わったとは思わない。支持率が下がり始めたのは、就任直後から。二〇〇八年は、無党派の支持を得た。五二%の無党派層がオバマに入れた。今は女性と若年層の支持が下がっている。ティーパーティー運動(注・2009からアメリカ合衆国で始まった保守派の政治運動)は、ヨーロッパで『頭のおかしい人々の集まり』という差別的なことを言われた。しかしメディアが思うよりもまともな集団。出口調査では、三〇から四〇%の人々がティーパーティーに肯定的だった。ティーパーティーは政党ではない。六一%の人が、次世代の暮らしは悪くなると考えている。自信喪失。だからティーパーティーが支持を得た。経済はどうしようもない。雇用の問題が重要。無党派層がオバマを支持したのは、オバマが反エリート・反エスタブリッシュメントであり、チェンジを訴えたから。今後は景気が良くなると思うので、それが追い風になる。『自由貿易協定』は妥協の余地あり。民主党系労組がオバマ政権に好意的ではない。ティーパーティーの支持を受けた七十数人の共和党議員は保護主義的。民主党はよりリベラルに。共和党はより保守に傾いている。ティーパーティーは共和党の中から影響力を及ぼす。共和党を乗っ取るのではないか。対中国強硬派は力を増す。日本のことがアメリカで話題にならないのは、日米が安定した関係だから。ティーパーティーが力をつけると、孤立主義傾向が強まる。選挙で有権者が外交について関心がない。今度の選挙でも外交について発言はない。ティーパーティーのおかげで、外交政策が弱まるとは思わない。米中は、人権・安保・通商で対立が深く大きい。日米より米中を重視することはあり得ない。」

久保文明東京大学法学部教授「長期的に見て、政府への信頼感の低下が底流にある。失業率が一七・一%で、非常に高い。『オバマはアメリカを立て直すと約束したのに、裏切られた』と思う人が多い。医者に対する不信感がアメリカには強い。大型経済対策や政治家に対する不信感が生まれた。民主党はクリントン時代より左傾している。アメリカにはロビーストという職業がある。大きなビジネスになっている。日本の民主党政権の外交政策がまずかったので、中国に『日本は押せば引く』と見られた部分はある。尖閣問題は、中国の南シナ海への戦略の延長線上にある。長期的に深刻な問題。オバマ政権は、『尖閣に安保が適用される』と言い、黄海に空母が入ったりして、強い態度を示している。」

            ○

民主党オバマ政権がリベラルで左傾していると言ってもそれは国内政策に関してのことであって、外交政策は、共和党と変わらない。むしろ、共和党より強硬な姿勢を示すことがある。オバマ政権の対支那姿勢。対北朝鮮姿勢を見てもそう思える。そもそも日本の戦争を始めたのも、日本に原爆を落としたのも、ベトナム戦争で北爆を開始したのも民主党政権であった。

日本の民主党政権も、政権樹立後一年を経過しないうちに、支持率が低下した。しかも日本の民主党は、対外政策が全く弱腰で、どうしようもない。国内政策よりも対外政策の失敗で支持率が低下したのだ。

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