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2010年11月28日 (日)

ナショナリズムの興起と危機の打開

仙谷由人官房長官は尖閣諸島における共産支那の漁船と称する船による領海侵犯、違法操業、我が国海保警備艇への襲撃事件をめぐって「日中は偏狭なナショナリズムを刺激するな」と述べた。仙谷氏に限らず、ナショナリズムを危険視する人は多い。

それではいったいナショナリズムとは何であろうか。それほど危険なのであろうか。辞書によればナショナリズムとは、「一つの共同體としての國家という理念を前面にかかげ、他からの圧力・干渉を排して、その國家の統一・独立・発展を推し進めようとする思想や運動。國家主義(一民族國家については「民族主義」)と訳され、時代や國の違いによってさまざまのニュアンスで用いられる。」と定義される。

外國からの圧力・干渉を排して國家の独立を維持する思想および運動とは、運命共同體意識と言い換えても良いと思う。これは、國家民族の危機の時に澎湃として沸き起こってくるものであり、ごく自然な感情である。危険視したり不潔であるとすることはできない。わが國の歴史を回顧すれば明らかなことであるが、國民の強烈なナショナリズムの沸騰は、民族の独立を守り國家の存立を維持した。

ナショナリズムは、歴史意識・傳統信仰と深く結びついている。自己の意識の中に民族の歴史を蘇らせることによって、ナショナリズムが形成される。國家的危機に際會した時、それを撥ね退けんとしてその國民がその國の歴史意識・傳統精神を根底に置いて運命共同體意識を結集し、勃興する精神と行動がナショナリズムである。

「尊皇攘夷」という言葉は、幕末期に起った日本ナショナリズムを端的に且つ正しく言い表している。

わが國の歴史を回顧すると、國家的危機の時こそ、尊皇精神・愛國心が勃興し、その危機を乗り切ってきた。白村江の戦いに敗れ、唐新羅連合軍のわが國への侵攻の危機に見舞われた時には、大化改新を断行し、天皇中心の國家體制を明徴化した。壬申の乱の後には、皇室祭祀および伊勢の神宮祭祀の制度が確立し『記紀』及び『萬葉集』が編纂され天皇中心の國家思想が正しく確立された。元寇の時には、それこそ全國民的に神國思想が勃興し國難を乗り切った。幕末の外患の危機に際しては、尊皇攘夷をスローガンとする明治維新が断行され、日本の独立を維持し近代國家として出発した。

今日の日本の危機的状況も、ナショナリズムの興起・日本傳統精神の復興により必ず打開し乗り切ることができると確信する。

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