« 千駄木庵日乗九月二十二日 | トップページ | 千駄木庵日乗九月二十三日 »

2010年9月23日 (木)

田原総一朗氏の講演を聞いて

『第二九回呉竹會アジアフォーラム』における田原総一朗氏の講演で印象に残ったことを記す。

「小学校一年生の時の十二月八日に大東亜戦争が起こった。五年生の夏に終戦。そこに私の原点がある。五年生の一学期までは、『米英とアジア解放のために戦っている戦争。日本は大東亜共栄圏の柱石となる。陛下のために戦え。君たちの寿命は二十歳までと思え』と言っていた先生が、戦争が終わり新しい学期を迎えたら言うことが百八十度変わった。同じ先生が『侵略戦争だった。日本は侵略国家だ。指導者は死刑になって当然。』と言った。高校一年の時に朝鮮戦争が始まった。すると、『戦争反対と言うのは共産主義者だ』と言われた。世の中の常識、偉い人が大きい声で言うことは信用できないと思うようになった。

学校教育では、明治維新から大東亜戦争までのことはタブーだった。一回も教わったことはない。明治維新から大東亜戦争までの歴史を書こうしたが、左翼の人の本、自虐史観の本ばかりだった。日清戦争から十五年戦争まで日本のしたことはすべて悪とする常識を疑わねばならないと思って書いた。その本では表の歴史を書いた。しかし表の歴史に名前が出て来ない人が大きな役割を果たしていることがいた。まず頭山満さんから始めた。頭山満さんのことを調べると歴史が良く分かる。大川周明・北一輝はアジアを実に正確に見ている。

一九六五年初めてソ連に行った。その時はソ連こそ理想の国だと思っていた。自由で豊かに国だと思っていた。しかしソ連に行って社会主義への憧れは木っ端みじんに壊れた。モスクワで大学生十人と討論した時、『フルシチョフはどうして失脚したのか』と質問したら、学生たちは真っ青になった。コーディネーターの人から『政治の話はしないでくれ』と言われた。この国には言論の自由は一切ない事が分かった。

北・大川・頭山の考えは、特権階級が威張っている社会は良くないという考え。アジアの人々は頭山さんを慕った。頭山さんは多くの人々を育てた。その一人が孫文。蒋介石の頭山を慕った。

今、最大の問題は日中問題。中国の漁船が百隻来て漁をしていた。海保の巡視船に二回体当たりした。意図的な事件。日本政府は中国の意図をはかりかねている。日本は世界一の資源国家。長い列島で四方を海に囲まれ、経済水域は世界一。その資源を狙っている。

強気だったのは前原。中国が一番嫌っているのは前原。船長逮捕を決めたのは前原。前原が岡田に相談した時、岡田は『原理・原則でやってくれ』と言った。一番弱腰なのが官邸。仙谷が弱気。誰も中国がエスカレートするとは思っていなかった。

地方と都市の格差があり、地方の不満が反日という形で出ている。反日という名の反政府を抑えるための強硬策という説もある。中国は民主主義も野党もないので決定が早い。軍を管理監督する機関がない。胡錦濤政権は軍が怖い。

日本は筋を通すべきだ。ただし決着はない。すれ違いの状態でうまく折り合いを付ける必要あり。アメリカに相談した方が良い。日本に手出したらアメリカが攻めるぞというのが抑止力。今これをちらつかせた方が良い。一番の問題は船長をどうするか。ここまで来れば解放は無い。刑を執行するか、罰金刑で帰すかだ。

日本は優れた国。技術力世界一。人材も世界一。金も集まる。この三つがあるのに不況なのは、官僚機構が駄目だから。官僚は業績を上げても抜擢されないし、失敗しても降格無し。これでは本気で仕事をしない。官僚は景気が悪くなっても給料が下がらない。だからチェンジが嫌い。一部上場の企業経営者が駄目。チャレンジ精神のある人は常務どまりか、常務にもなれない。頑張る奴は個性があり、人付き合いがうまくない。個性がありチャレンジ精神のある人は社長になれない。失敗しない人・調整力のある人が社長になる。日本の経営者は新入社員の延長でしかない。今の政権は中国とアメリカにパイプがない。」と語った。

            ○

もっと色々興味のあることが語られたのだが、とくに小生を名指ししてオフレコと言われたので、ここに書くことはできない。田原氏が講演中、色々な話の展開の中で、四、五回小生の名前を呼んだのにはびっくりした。田原氏は若い頃は、左翼だったが、幻滅を感じて転向したということである。「日米同盟を背景にして共産支那に当たれ」ということである。情けない話だが、現状の日本ではこれしか支那に対抗する方途はないのだろうか。

「軍を管理監督する機関がない。胡錦濤政権は軍が怖い」というのが最も大きな問題である。今回の事件も、軍の主導で計画的に行われたと見るべきだ。「鉄砲から政権が生まれる」というのが共産支那の特質である。毛沢東・鄧小平・周恩来は、革命戦争を指揮した軍事指導者であるから、軍を支配し統制することが出来たが、胡錦濤・温家宝は革命戦争で軍を指揮した経験もない党官僚にすぎないので、軍を抑えることが出来ないのであろう。

日本の自衛隊は、完全に内局に管理監督されている。わが国において管理監督機関が無く、暴走する恐れのあるのは、検察・警察である。それが今回の大阪地検特捜部の事件や志布志事件が起こった原因であろう。

|

« 千駄木庵日乗九月二十二日 | トップページ | 千駄木庵日乗九月二十三日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/49533044

この記事へのトラックバック一覧です: 田原総一朗氏の講演を聞いて:

« 千駄木庵日乗九月二十二日 | トップページ | 千駄木庵日乗九月二十三日 »