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2010年9月21日 (火)

日本学協会定例講演会での講演を聞いて思う

平泉隆房氏(金沢工業大学教授)「知力よりも人格陶冶に重点を置いた江戸時代の基礎教育が日本近代化成功の因。祖父母と孫が一緒に生活する三世代同居は、日本の家庭では当たり前だった。核家族になってそれが無くなった。しかし、まだまだ日本に良さは残っている。若い人が急速に駄目になっているとは思わない。私は白山神社の宮司なので、山岳信仰の神社の宮司さんと交流が多い。その宮司さんたちは『中高年の登山者のマナーが悪さは凄まじい』と言っている。明治以後の急速な近代化の中で、日本の良さが音を立てて崩れて行った。私の祖父・平泉澄は『幕末維新の精神は明治五年頃崩れた』と書いていた。」

西原正氏(平和安全保障研究所理事長・元防衛大学校長)「二〇〇三年十一月に、イラク戦争で銃弾を受けて殉職した外交官・奥克彦氏の棺の扱い方は間違っていた。成田に着いた棺を東京に搬送したのは千葉県警だった。国のために殉職した人の棺の搬送は地方警察機関ではなく国家機関が行うべきだった。菅内閣の閣僚全員が靖国神社参拝を自粛した。『国歌・国旗法』に反対した者が総理になっている。日本の国のカタチはどうなっているのか。国旗に敬礼せず、国歌を歌わない教員・教官が多数いる。防衛費は四兆七千億円なのに、子供手当に五兆円出そうとした。『憲法九条』の狭い解釈で、自衛隊が十分な活動が出来ない。安定した国をつくる戦略は、一番強い国と手を組むこと。しかし、独裁国家と結んでは駄目。同じ価値観を持つ国でなければならない。日米同盟は正しい選択。戦前の日英同盟と同じく戦略的に正しい。貧しいところから出発した戦後日本が経済成長に力を入れたのは正しい戦略。しかしそれによる欠陥も出た。領土の保全・国民の生命と財産を守ることが防衛の基本。南西方面の防衛に手抜かりがあったことが最近暴露された。竹島・北方領土に関しても然り。もう一つ配慮が欠けていたのが原発の防衛。原発の所在が日本海方面に偏重。三十か所の原発のうち、二十三か所が中国や北朝鮮に面する日本海側にある。台湾が中国のコントロール下に入り、台湾に中国の軍事基地が出来れば、日本の安保は危機に瀕する。インド・ロシアなど中国の向こう側の国々と関係を強化すべし。『遠交近攻外交』が大事。日本のシーレーンは、紛争地域の周辺にある。日印関係を密接にすべし。尖閣問題で中国は理不尽な対応をしている。日本に対し嫌がらせをして圧力をかけている。日本はこれに対して毅然とした対処をするべし。この事が、日本の国のカタチをつくることに直結する。国防は崇高な義務であることが憲法に書かれていない。憲法を改正することにより、対米依存から自主防衛へと進む。名護市の十万人の意志が日米同盟を左右するというのはおかしい。沖縄県知事選挙も同じ。日米同盟を基軸として国際秩序の形成のために日本が努力すべし。」と語った。

小生の質問に対し、「尖閣の自衛隊基地をつくるのは賛成。百人から二百人規模の自衛隊の駐屯地をつくることにより、実効支配を確実なものにして日本領土であることを示す。」と答えた。

市村真一氏(京都大学名誉教授)「保育所を増やし、小学校教育を充実させることが大切。今の政治家に責任感なし。鳩山は政界を引退すると言っていたのに、また戻って来た。そんな人が総理大臣だから世の中も無責任になる。」

           ○

平泉隆房氏の講演を聞き、かなり以前、安達福松氏の御案内で福井の白山神社に参拝した時、当時宮司をしておられた歴史学者・平泉澄先生にお目に掛かり、色々ご指導をいただいたことを懐かしく思い出した。白山神社の神域はまことに神秘的であった。きちんと端坐されお話をされる平泉先生のお姿は今もはっきりと目に浮かぶ。

地下鉄などに乗っていると、若者たちもさることながら、相当年配の方にもかなりマナーの悪い人がいることは事実である。バスの中で、座っている老人に脛を足蹴にされたことがある。何だかわけがわからなかった。前に立ったのが気に食わなかったのだろうか。しかし、私自身も、他人様から見ればマナー違反のことをしているのではないかと反省する。

民主党政権の中枢にいる政治家たちの國體観・憲法観・歴史観について正しく検証する必要がある。また、西原氏の「普天間問題に対して毅然とした対処をするべし。この事が、日本の国のカタチをつくることに直結する。」という意見は同感である。政府はぶれることなく、正しく対処すべきである。今回の事件が、日本の自主防衛体制確立・まともな対共産支那外交姿勢確立のきっかけになることを期待したい。それには、日本国民の一致結束が最も大切である。ともかく重大な事態である。

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