« 千駄木庵日乗九月一日 | トップページ | 千駄木庵日乗九月二日 »

2010年9月 2日 (木)

『奈良の古寺と仏像』展及び『菅直人・小沢一郎の討論』を見て思う

三井記念美術館で開催中の『奈良の古寺と仏像ー會津八一のうたにのせて』展参観。この展覧会は、「平城遷都1300年を記念する特別展です。奈良は、日本の宗教文化の原点であり、寺院に祀られる仏像は、信仰の対象であるとともに、極めて芸術性が高い作品として、多くの人を魅了してきました。
多数の国宝、重文を含む優れた仏像を、奈良を詠った會津八一のうたにのせて展示し、日本の宗教の奥深さ、美的感性の高さを知っていただきます。」(案内書)との趣旨で開催された。

観世音菩薩立像(夢違観音・国宝・法隆寺。悪夢を良い夢に変えるという観音様)、金剛宝塔(国宝・西大寺)、菩薩半跏像(重要文化財・伝如意輪観音・岡寺)、五刧思惟阿弥陀如来座像(重要文化財・東大寺)などを拝観。また會津八一の書・歌碑拓本・歌書なども展示されていた。

やはり、半数近くが観世音菩薩像であった。日本人はどうして観音様が好きなのであろうか。「夢違観音」が最も良かった。良かったという表現もおかしいが、見事な彫刻であった。「五刧思惟阿弥陀如来座像」は伸び放題になったパンチパーマのような地髪が、気味が悪いくらいとても大きく作られている。阿弥陀如来の前身である法蔵菩薩が、「五劫(ごこう)」すなわち何億年もの長い間、髪の伸びるのも構わず修行に没頭していた時の姿を表しているという。

会場には、會津八一の

「くわんおんの しろきひたひに やうらくの かげうごかして かぜわたるみゆ」

「おほらかに もろてのゆびを ひらかせて おほきほとけは あまたらしたり」

「おほてらの まろきはしらの つきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ」

「あまたみし てらにはあれど あきのひに もゆるいらかは けふみつるかも」

「おほてらの かべのふるゑに うすれたる ほとけのまなこ われをみまもる」

などの歌が展示されていた。

會津八一は、昭和前期に歌人、美術史家、書家。新潟市に生まれ。早稲田大學出身。中学時代から『萬葉集』や良寛の歌に親しんだという。

したがって、『萬葉集』の影響を受けたと思われる歌がある。「おほらかに もろてのゆびを ひらかせて おほきほとけは あまたしたり」という歌などがそれである。八一の『自註鹿鳴集』は、私の座右の歌集である。

          ○

小沢一郎と、菅直人との討論をビデオで見た。小沢は開口一番、「戦後民主主義が理解されていないのが問題だ」と言った。戦勝国に無理やり押し付けられた「戦後民主主義」を肯定する思想・考え方がそもそも間違っているのだ。道義精神・歴史伝統を無視した「戦後民主主義」が日本を悪くしたのである。

小沢はまた、官僚依存ではなく、政治家主導の政治にしなければならないということは繰り返し述べていたが、具体的にどういうシステムにするのかは全く語らなかった。今の政治家とくに民主党の一年生議員が主導する政治というものは空恐ろしい結果を生むのではないか。

菅直人は、参院選の敗北責任については避けた。これはずるい。イラ菅ならぬズル菅と言われても仕方がない。

ともかく、この二人のどちらかが総理大臣になるのである。暗澹たる気持ちになったのは私一人ではあるまい。

|

« 千駄木庵日乗九月一日 | トップページ | 千駄木庵日乗九月二日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/49320173

この記事へのトラックバック一覧です: 『奈良の古寺と仏像』展及び『菅直人・小沢一郎の討論』を見て思う:

» Twitter Trackbacks []
[続きを読む]

受信: 2010年9月 2日 (木) 02時21分

« 千駄木庵日乗九月一日 | トップページ | 千駄木庵日乗九月二日 »