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2010年8月25日 (水)

東アジア共同体論は危険である。

「東アジア共同体論」は、マレーシア第四代首相・マハティール・ビン・モハマドの「ルック・イースト政策」から始まったとされる。「ルック・イースト政策」とは、個人の利益より集団の利益を優先する日本や韓国の労働倫理に学び、過度の個人主義や道徳・倫理の荒廃をもたらす西欧的な価値観を修正すべきである、とする一九八一年(昭和五六年)一二月一五日のマハティールの提言である。このマハティールの提言そのものは高く評価されるべきである。

しかし、今日、鳩山由紀夫前総理等によって唱えられている「東アジア共同体論」は、EUが引き金になって、東アジアにおいて構想されている地域共同体構想であり、共産支那を含めた東アジア地域を統合したブロック経済によって、米国、欧州共同体に匹敵する地域連合を成立させようとする概念である。つまり日本・韓国・支那とアセアン(東南アジア諸国連合)諸国をメンバーとして経済統合・政治・安全保障・文化的・外交的一体化を進める」ということのようである。インド・オーストラリア・ニュージーランド果てはアメリカまで含めるという意見もある。果たしてこんな「共同体」建設が可能なのであろうか。

全世界の国家がそうであるように、東アジアにおいても大陸国家と半島国家・海洋国家とに分けられる。支那は大陸国家であり、朝鮮は半島国家であり、日本や東南アジア各国は海洋国家である。戦争が起こる確率が高いのは、半島国家である。大陸国家・半島国家・海洋国家が「共同体」を形成することはきわめて難しいというか、不可能に近いと考える。 

日本と支那が「共同体」を形成するということは、日本が大陸との関係を今日以上に深めるということである。これまでの歴史で、日本が大陸に進出して成功したためしはない。

戦前は、軍事的・政治的に大陸に深入りして、ソ連中共の謀略に引っかかり、泥沼の戦いとなって日米戦争にまで進み敗北した。戦後は、経済的に深入りして、金と技術をまきあげられ、共産支那を軍事大国にしてしまい、かえってわが國の安全と独立が脅かされている。

私は、今日言われている「東アジア共同体」に日本が積極的に関与するのは、きちんとした国家戦略を確立しないままに、無原則に支那大陸に深く進出して行った戦前のわが國の過ちを繰返すこととなると考える。

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