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2010年7月14日 (水)

二木啓孝氏の講演を聞いて

二木啓孝氏の講演で印象に残った話は次の通り。

「三年前まで、『日刊ゲンダイ』にいた。言論の中立性、報道の公平性は考えたことはない。『我々は朝日新聞ではない。アカ新聞である』と書いた紙が編集室の壁に貼ってある。田中金脈事件の時から自民党批判でグングン売れ始めた。以来時の権力批判をしてきた。スポーツ欄は何がなんでも巨人叩き。二十五年間『日刊ゲンダイ』にいたのでまともに世の中が見られなくなった。

予想以上に民主党が負けた。菅さんはボロボロ。お灸をすえてやろうというのが参院選の結果。相当大きなお灸だが、ガソリンをかけて死んでしまえではないというのが国民の意識。

衆院選で負けるのはアッパーカット・ノックダウン。参院選で負けるのはボディブロー。小沢は、自自公連立で高いハードルを突き付けて自民党を乗っ取ろうとした。政権は自公で続いたが、小渕の命は断たれた。二〇〇七年安倍さんが参院選で負け、ネジレが始まり、入院して政権をなくす。福田も過半数割れで苦労し退陣。麻生もボディブローで政権を失う。

菅さんの詰将棋はすでに詰んでいる。展望が無い。菅も、仙谷も、枝野も部分連合を言っている。『マニフェストが実行できなかったことを謝れば協議に応じる』と自・公・みんなの党は言っている。公務員制度改革について与野党協議の前に民主党が謝ってしまうと、野党に主導権を握られてしまう。部分連合をすると謝って丸呑みということになる。それでは何のための政権かということになる。

自民党の大島幹事長は、〇七年以来のネジレの中で国対委員長として頭を下げ続けた。二年半いじめられたことは、いじめ返したくなる。予算関連法案は参院を通さねばならない。衆院は三分の二ないから、来年度予算が執行できない。自民党は民主党を徹底的にやっつけて解散に持ち込む。十一月解散説もある。

樽床は、『頭の体操としては財政再建のための大連立はあり得る』と言っていた。党内で悩ましい人は小沢一郎。小沢は、金曜の夜から伊豆大島に釣りに行っていた。昨日の夜帰って来た。小沢は消えることによって揣摩臆測を呼ぶ。菅にとって前門の野党、後門の小沢。小沢は今の執行部に対して相当カリカリしている。枝野は小沢を大衆迎合主義と批判。仙谷は、『与党幹事長は懐の広いところを見せなければいけない。小沢は良くやってくれていると言うのが与党幹事長』と言っていた。

衆院選の選挙区には悉く小沢の影があった。太田昭宏が青木愛に負けた。小沢の秘書が青木にぴったりとついていた。福田康夫・久間・二階の選挙区も同じ。相手候補の事務所に取材に行くと、小沢の秘書が出て来た。負けそうな所には金を持って行く。秘書の給料・交通費は党の金ではない。小沢の金。三〇八議席は相当小沢の力があった。今度は小沢が行った所は悉く落ちた。

小沢は幹事長を降りたので、金と情報と人事権を奪われた。小沢にとって党は手段。金と情報と人事権を握るために党を作る。ところが民主党の議員は党が目的。小沢は民主党とは合わない。着地点が違う。

小沢は二七歳で初当選。四七歳で幹事長。六七歳で政権交代。小沢は『二大政党制を信じていない』と言った。自民党を根絶やしにしたい。来年の統一地方選で自民党をつぶしにかけたかった。市長村會議員を根絶やしにしないと自民党はつぶれないと小沢は思っている。自民党を根絶やしにして民主党を割り、二大政党制にしたい。参院選で複数区に二人立てたのは、落ちた人を地方選の目玉候補にするため。

小沢は今、情報・金・人事権の三つを握っていない。さあどうなるか。北澤・直嶋・仙谷は仲が良い。小沢のすごみは離党カード。参院の人事を見て行動を起こす。輿石を参院議長にして一丁上がりにして北澤を議員会長にすると戦争が起こる。小沢は後継者がいない。ナンバーツーになりかけると首を切る。小沢は衆院五十人。参院十人を連れて出ていく。菅と仙谷はこれを捌けるかどうか。

民主党には頭の良い人はいるが、腹芸のできる人はいない。寝業師がいない。できるのは仙谷くらい。細川連立政権を倒した時の自民党には、野中・亀井・梶山・鈴木宗男という胆力のある人がいた。正しい政策の人が勝つのではなく、勝った人が正しい。そういうことを松下政経塾の人は分かっていない。菅さんはだから消費税を上げるなんて言ってしまった。『国対も俺の仕事』と仙谷は言っていた。

自民党は本当に勝ったのか。民主党が大負けしたのであって自民党が勝ったのではない。加藤紘一は『一九五五年以来自民党が何を訴えてきたかを総点検しなければいけない』と言っていた。反共と経済成長の二つの柱を立ててきた。高度成長期はそれでうまく行った。ソ連の崩壊とバブルの崩壊でこの二つの柱を立てることができなくなった。

加藤の乱は加藤の根性無しでこけた。良い人は根性が無い、小泉は『自民党をぶっ壊す』と言って自民党を延命させたが、自民党は本当にぶっ壊れた。小泉は旧来の既得権を壊そうとした。そして地方は疲弊した。

加藤紘一は『保守とは何かという旗を考えたい。小さな村の単位が集まり、顔が見える単位の取りまとめ役が自民党であってほしい。ゆっくり暮らせる社会を保つのが保守。』と言う。自民党はきちんと保守の旗を立てるべし。今度の自民の勝利は敵失。仙谷は小沢が大嫌い。小泉改革も大嫌い。仙谷は加藤紘一と仲が良い。頭の体操として仙谷と加藤が仲介して谷垣と期間限定の大連立をする。小泉・竹中とタカ派は入らない。柔らかな保守。」と語った。

          ○

谷垣・加藤紘一・仙谷の連合はあり得る。その時小沢はどうするか。今日の話を聞いても、また『文藝春秋』今月号を読んでも、小沢という人はやはり国のためにならない人であることが分かる。彼には、権力欲と怨念しかないのである。

しかし真正保守・維新の立場からは、小沢も駄目だが、谷垣・加藤紘一・仙谷連合も駄目である。真の「保守」とは國體護持・戦後体制打倒だからである。

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