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2010年6月23日 (水)

政治家・官庁に主張を送りつけることの大切さ

『フォーラム・マニフェスト再考』における登壇者の発言は次の通り。

加藤秀樹東京財団会長「二〇〇三年からマニフェストという言葉が使われ出した。選挙公約をイギリス流に言い換えただけの話。『われわれはこういう世の中をつくるから支持してほしい』という当たり前のこと。しかし、二〇〇三年までの公約は抽象的だった。選挙は権力闘争のスタートのようなもの。昨年の総選挙の民主党のマニフェストは『勝利のためには何でもあり』だった。『空手形・何でもあり』にしてもひどかったというのが、この八カ月の状況。項目の競い合いになった。選挙の後の民主党を見て、マニフェストへの信頼が落ちてしまった。マニフェストを誰がどうやって作るのかが問題。」

清水真人日本経済新聞編集委員「中選挙区制では、同じ党同士が戦うので、党の政策を掲げてもナンセンスだった。小選挙区制で、民主党と自民党ががっぷり四つで戦うので、マニフェストが大事になった。小泉はマニフェスト選挙を巧みに利用した。一点突破の選挙にした。去年の選挙で民主党は思い切りばら撒きのマニフェストを作った。民主党は『有権者との契約』と言って政権を取ったのだから約束したことを守るのは当然。菅内閣になって、『総理が変わったのだからマニフェストも変わって当然』と受け止められている。であるなら、前政権とは全く別の政権が出来たのだから、解散総選挙を行うべし。まだ小選挙区型の政権交代に慣れていない。菅内閣の誕生は民主党内たらい回しであり、コストがじわじわとかかって来る。消費税で菅党首の発言が先走っているのは禍根を残す。菅さんにとって重荷になる。鳩山さんの普天間と同じ。」

永久寿夫PHP総合研究所常務取締役「マニフェストをどう評価するかの統一基準が必要。与党のマニフェストは守り。与党は攻撃的。民主のマニフェストは与党的になって来た。有権者がマニフェストを見て評価して投票するのが本来の姿。有権者がマニフェストを読む力が大事になる。トップが代る度にマニフェストが変わるのなら、何故そうなったかが説明されねばならない。各党首が集まってマニフェストに基づいて討論する場を作るべし。政治家の資質が大事。マニフェストを実行する力がなければ絵に描いた餅。ビジョンを掲げながら現実にどう対応していくかが問題。日本全体の経営者である政治家に企業経営の経験がほとんどない。」

富田清行東京財団研究員「政策決定の透明性が問題。マニフェストは、個別政策の羅列になっていて、体系化されていない。ビジョンは始めから無い。党のガバナンスをどう考えるかが、マニフェストが良いものになるかどうかの鍵。消費税十%という言葉が独り歩きしている。菅総理は、上げた分を社会保障・医療介護に回すというが、回せば良くなるという説明も保証もないから不安が残る。民主党のマニフェストには工程表なし。マニフェストが広報誌・PR誌になる恐れあり。役所のホームページが意見を募集している。画期的なこと。マニフェスト決定過程にわれわれが関わっていくツールが必要。」

佐藤孝弘東京財団研究員「理念・ビジョンがあって政策がある事を明確にする姿勢が貫かれねばならない。児童手当は、

生活支援なのか、少子化対策なのかわからない。『税制の抜本的改革』という用語は消費税導入のこと。それを隠している。政策は体系立てなければならない。税制・予算・法律改正が政策の基本。官僚の上にリーダーが乗っかって抽象的なことを言っていればいいという時代ではない。」

杉浦哲郎みずほ総合研究所専務執行役員「消費税について世の中のコンセンサスに悪乗りしている。消費税を上げなければいけないという主張に切迫感がない。社会保障に使うのなら、赤字減らしはどうなるのかに、回答が無い。整合的になっていない。二〇〇六年の歳出歳入一体改革は切迫感があった。雇用を何百万増やすと書いてあっても、派遣・非正規雇用・リストラが多く、給料も増えない状況で本当にそんなことができるのか。マニフェストに現実味がなくなってきている。日本は党首の言葉が貧弱。政策説明能力、議論する力があまりにも無さ過ぎる。」

         ○

「マニフェスト決定過程にわれわれが関わっていくツールが必要」というのは大事である。総理官邸・各省庁などに対して、どんどんものを言って行くことが大事である。官庁や政党の政策決定にわれわれ国民が積極的にかかわっていくべきである。『夫婦別姓』『外国人地方参政権』などで、関係官庁や政治家にメールやファックスなどをどんどん送りつけるというのは大切である事をあらためて認識した。

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