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2010年5月 2日 (日)

山本秀也産経新聞東アジア室長の講演を聞いて

本日行われた山本秀也産経新聞東アジア室長の講演で、印象に残ったことを記す。

「中国は万博が好き。1893シカゴ万国博覧会に西太后の衣装でこしらえた家具を出展した。1904のセントルイス万博から正式参加した。

旧ソ連製の駆逐艦・潜水艦など十隻が宮古と沖縄本島の間を通過した。遠洋海軍への転換。沖の鳥島近海に行った。第二列島線まで出る能力を誇示した。

鄧小平は毛沢東の人海戦術を是正した。『経済の発展があって軍事の発展が保障される』と鄧小平は言った。海軍運用能力は想像以上に高い。中国国内のナショナリズムの過剰な高まりと、国力の向上による傲慢さの表れ。中国の軍事力誇示行動は台湾を念頭に置いている。

ブッシュ・ジュニアは、イラク問題では火傷を負ったが、東アジアに対しては原理原則を貫こうとした。民進党にはアメリカ通がかなりいたのに、陳水扁政権は重大な政策についての事前通報をアメリカにして来なかった。

専守防衛とはアメリカが日本に攻撃力を持たせたくなかった時代の言葉。普天間基地問題の解決は現行案以外にあり得ない。

大田元沖縄県知事は、キャラが立ちたいから『沖縄経済は米軍基地に依存していない。基地が無くなった方が経済発展する』と言っている。依存とはGDPの何%のことを言うのか。基地が無くなったら経済発展するというのは仮設のまた仮説。

台湾企業の大陸における雇用創出力は一千万にのぼった。台湾国内の労働力と同じ規模。台湾産業基盤のコピーを大陸にもう一つ作った。台湾のしたたかな駆け引きを立体的に見たい。しかし、下手をすると中国経済圏に呑みこまれる。下手を打たないためにどうするかが台湾の指導部の任務。

中国の土地バブルがはじけると各地方の地方債が全て紙屑になる。中国の地方財政は破綻する。人口の老齢化という強烈な爆弾を抱えている。経済情勢が社会情勢に変って行く懸念あり、民族問題などへの強硬策は胡錦濤の恐怖の表れ。

アメリカは中台両国が両岸の体制を一方的に崩すことを許さない。台独も併合も許さない。アメリカは中国に『武力侵攻に対してはためらいなく台湾を防衛する』と通告している。中台が協議の上統一すると、アメリカは手が出せない。台湾は台湾であることによってアメリカの恩恵をこうむっている。

中国の国防費はブラックボックス。公表されている二・五倍はある。中国の軍隊は、軍閥ー集団野戦軍―各軍区という流れがある。各軍区で商売をやっている。軍需品密輸・ホテル経営・ゴルフ場経営などをやり、潤沢な予算を持っている。

党の軍隊を国軍に変えるべしという議論が二十年前から起きている。これが実現できるかどうか。統帥権は党中央軍事委員会が持っている。軍事委員会主席は共産党総書記。党の政治局は多数決で決めるが、軍事委員会は委員長が決定する。核ボタンは委員長が握っている。中国は台湾への武力行使の選択肢は捨てていない。」

         ○

まことに勉強になった。共産支那の一党独裁とは、中国共産党が軍を握っていることにある。これを日本に当てはめると、民主党の中に軍事委員会があり、民主党代表が自衛隊の最高指揮権を握っているということである。

私が上海に行って驚いたのは、上海市政府と上海市公安局の建物が、中国共産党上海市委員会と同じ建物にあったことである。日本でいえば、民主党東京都連・都庁・警視庁が同じ建物にあるということである。

毛沢東は「鉄砲から政権が生まれる」と言ったが、その傳統はいまだに守られている。つまり共産支那は軍事独裁国家なのである。表面的な経済繁栄に目を奪われてこの事実を見失うことがあってはならない。北朝鮮と共産支那との国家体制の違いは、独裁者が世襲であるかどうかだけである。

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