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2010年4月19日 (月)

傳統と旧来の陋習

生長の家の谷口雅宣氏は、二〇〇六年三月二二日(平成十八年であるが、谷口雅宣氏は西暦を用いている)の「ブログ小閑雑感」で、「皇室制度の議論を深めよう」と題して次のように書いている。

「歴史の長いこの国に生まれた我々は、『伝統』という言葉をとかく無批判に受け入れる傾向があるが、伝統の中には尊重されるべきものが多いことはもちろんだが、『士農工商』『参勤交代』『切捨て御免』『晒し首』『仇討ち』『切腹』『男尊女卑』『一夫多妻』『公娼制度』など、現代では受け入れられない制度や習慣、考え方も含まれている。伝統とは実際、それぞれの時代における慎重な取捨選択や新規の工夫によって、一部変更されながら守られてきたものである。だから伝統護持のためには、必要ならば伝統の一部変更を行う勇気も必要だと思う。」と論じている。

こうした事を書くのは、谷口雅宣氏が、『五箇条の御誓文』を忘却しているか、拝していない証拠である。

明治天皇が、明治元年三月一四日に、京都御所の正殿である紫宸殿で天神地祇御誓祭を執行せられ、天神地祇にお誓いになり、全国民に示された『五箇条の御誓文』は、明治維新の基本精神即ち明治新政府の基本方針が示されているの。

明治天皇は神前で『五箇条』をお誓いになられた後、「我が国未曾有の変革を為んとし、朕、躬を以って衆に先んじ天地神明に誓い、大にこの国是を定め、万民保全の道を立んとす。」と宣せられた。

その『御誓文』には、「旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ」と示されている。傳統と旧来の陋習とは全く異なる。その区別はしっかりとしなければならない。傳統はあくまでも守り続け、継承され続けられねばならない。一方、旧来の陋習即ち古くからある悪い習慣は打ち破られねばならない。

身分差別としての『士農工商』制度などは旧来の陋習なのであって、決して守るべき伝統ではない。しかし、傳統には、「一部変更」などということはあり得ない。辞書にも、「傳統とは、歴史の中で形成されて来た種々の形態の中から、特に重んじて次世代に継承すべきものに対する精神的な立場を指す。」とある。傳統は、継承され守られ続けねばならないのである。

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