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2010年4月18日 (日)

ペリーとマッカーサーと対米従属

ヘンリー・ストーク氏(元ニューヨークタイムス東京支局長)の講演で印象に残った話は次の通り。なお、ストーク氏は、イギリス人である。

「一九六四年に来日して以来、日本の事を考え、日本の事を世界に報道して来た。韓国・アメリカ・ソ連のことは報道しやすいが、日本は難しかった。それがかえって、私を日本にのめり込ませた。三島由紀夫と安部公房の事を研究した。三島と安部は非常に親しかった。

この国では本当に知りたい事を知るためには沈黙が必要である。しかし、沈黙はとても難しい。

最近の世界共通の認識は、アジアがこの地球の中心になっていくということである。私もそのことを四十年前から言ってきた。今日の世界の中心磁力はアジアにある。そうした状況下で日本はどのような役割を果たすのか。本来なら日本は世界のエネルギーを集める理想的な場である。しかし現実にはそうなっていない。

日本は変わったと言う人がいるが、全然変わっていない。この国はアメリカのグループの一員。日本もイギリスもアメリカに依存している。イギリスもアメリカのグループの一員だが、イギリスには横須賀のような米国海軍基地は無い。第七艦隊が今錨をおろしている所はペリーが錨をおろした所。ペリーは八日間しかいなかったが、マッカーサーが連れて来た軍はずっと五十数年間居続けている。江戸は強姦された。これは『レイプ・オブ・江戸』である。

ペリーの『航海日誌』を読むことが必要。黒船の甲板は完全に戦闘態勢に置かれ、攻撃の準備をしていた。日本には対抗できる軍事力は無かった。今日の日本も同じ。自衛隊は空母を持っていない。今日においても日本は武装解除されたまま、マッカーサーの占領が続いている。マッカーサーとペリーのやり方は似ている。

日本とイギリスは島国という点でよく似ている。國の大きさも似ている。日本人は活力もあり、知的。もの作りをしないと生き残れない。とてもシャイな民族、アメリカ人とは全く違う。日本人のシャイネスは、鎖国時代からの日本の閉鎖性から来ている。

イギリス人は、アメリカが世界中で戦争を起こしていることに嫌悪感を抱いている。アメリカが他国に空爆を行うのを見て、何を考えているのかと思う。オバマには希望を持つ。

中国は海軍力を強化しているが、アメリカとの差は大きい。北朝鮮の韓国攻撃は、中国が許さない。鳩山は、核サミットで十分な主張をしなかった。日本にはリーダーがいない。二、三世議員が多い。これは他国では考えられないこと。どうしてこんなことが起こるのか」。

          ○

イギリス人にこういう考え方を持っている人がいるのに驚いた。昭和二十年九月二日に「ミズーリ」艦上で行われた日本の連合国に対する降伏文書調印式で、「ミズーリ」の砲塔にマシュー・ペリーがわが国に開国を迫りに来た時に使用した星条旗が掲げられていた事実は、マッカーサーはペリーの意志を継いで、日本をアメリカの支配下に置くことを目的としていたことを証明している。と言うよりもアメリカの国家意志が、日本の属国化なのである。そしてその状態は今の続いているとしてよい。

わが国の国民の大部分は、このことに気付いていない。否、気付く、気付かないというよりも、日本が実質的にアメリカの属国であることが当たり前になっているのではなかろうか。『占領憲法』『日米安保』を半世紀以上もそのままにしておいても、違和感を持つ人が少ない。

さらに、共産支那の日本に対する圧迫が熾烈になっている。沖縄近海における支那海軍の示威行動があっても、さして危機感をつのらせないのが今の日本人である。これは平和ボケなどという甘い言葉では片付けられない。「何があっても、アメリカに守ってもらえばいいという植民地根性が為せる技」と言っては言いすぎであろうか。

日米中トライアングルとか、日米対等とか、東アジア共同体という言葉が踊っている。しかしその根本に、まず以て日本の敗戦国意識の払拭そして日本の真の自立が確立されなければならない。何回も書くが、『友愛精神』や『国連中心主義』ではそれは実現できない。

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