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2009年11月25日 (水)

千駄木庵日乗十一月二十四日

午前は母のお世話。

午後は病院に赴き父に付き添う。

午後六時半より、高田馬場のホテルサンルートにて、『野分祭』執行。第一部の追悼祭では、祭詞奏上・祭文奏上・『英霊の声』拝聴・『檄文』朗読・遺詠奉唱・玉串奉奠などが行われた。

第二部では西部邁氏が追悼記念講演を行い、「ぺリリュー島で戦没者の慰霊祭に参列した。降神の儀の時背筋が寒くなるのを感じた。三十一歳の時に三島氏の自決の報を聞いた時も背筋が寒くなるのを感じた。三島氏の自決の直後、色々な評論が行われたが、武田泰淳氏が『刻苦勉励の人生がここに終わりを遂げた』といったのに共感した。三島氏はきわめて誠実な人であった。

私は、重症のドモリ患者で家族の前でも言葉を発することができなかった。十九歳の時、『共産党宣言』を読まないのに左翼になった。左翼運動の集団の中にいると、人間の愚かさ・卑怯さ・軽率さがよく見えてきた。三つの裁判を抱え、半年間巣鴨の拘置所にいた。三つとも執行猶予になった。十八年間大学の先生をした。

一流国家になろうとする時、一回や二回は他国を侵略した。それが当時の歴史段階であった。覇権的意志を持って武力を行使した。それを否定する必要なし。帝国主義戦争で、諜報活動は当たり前。スパイ組織を持つのは当然。太古から今日まで国際関係は交流と反発が続いている

日米を親子関係ととらえることに腹の底から怒りと恥辱を感じないのは恥ずかしい。現行憲法は、『国民主権』を謳いつつ『国民』の定義が書かれていない。『人民主権』の思想。日本の歴史・伝統・文化を背負わんとするものが日本国民。

あの戦争では太平洋で百万、非戦闘地域で九十万の日本人がアメリカに殺された。アメリカがどういう国かをまず考えるべし。現行憲法の第一条を見ただけで日本国民に背を向けている。左翼は、憲法前文の『平和を愛する諸国民』とはソビエト陣営だと考えた。

左翼以外は『アメリカの公正と信義に信頼して安全を保持しよう』としている。『国民の総意』とは歴史・伝統・文化を踏まえなければならない。これまでの人々、これからの人々の総意。つまり、伝統の精神と解釈すべし。伝統に基づく憲法論が必要。憲法なんか踏み躙っていい。歴史・伝統・文化が大切。

フランス革命のジャコパン党が『自由・平等・博愛』を唱えた。旧体制を破壊せよと叫んだのがフランスの左翼。今日、『自由・平等・博愛』を言っているのがアメリカ。つまりアメリカは左翼。その属国が日本。ヨーロッパ諸国は、フランスを含めて傳統を破壊する『自由・平等・博愛』だけではやばいと思った。そういう反省のない個人主義の『自由・平等・博愛』を大西洋を越えてアメリカで実現しようとした。東に進んで集団的統制として『自由・平等・博愛』を実現しようとしたのが旧ソ連と中国共産党。この二つの内部抗争が冷戦構造。

近代主義者になってはいけない。近代に疑いの念を持つべし。近代主義を受け入れる人が左翼。文化を破壊し、歴史を分断し、伝統を雲散霧消させようとするのが近代主義。三島氏には近代への反抗と絶望があった。反近代・現代文明への戦いをしかけねばならない。」と語った。

終了後直会が行われ、出席した同志から活発な意見の開陳が行われた。

         ○

西部氏の話は大変勉強になった。私は、直会の席で「近代主義は伝統の否定である。わが国は歴史・伝統・文化の体現者として、天皇を仰いでいる。天皇によって体現される日本伝統精神を世界に恢弘することが、今後の人類を救う道である」ということを訴えた。

何回か書いたが、近代主義を奉じる国家であり、世界最大の超大国であるアメリカの大統領が、日本天皇に拝謁して深々と頭を下げた。あれは、日本天皇および日本国の軍事力・政治力。経済力に頭を下げたのではない。天皇の神聖権威・御稜威に対し、自然に頭が下がったのである。

「國民主権・主権在民」という思想は、君主と國民が絶対的に対立し、権力を奪ひ合った歴史を持つ欧米で生まれた思想である。祭祀國家であり君民一體の國柄であるわが日本にはまったく適合しない思想であり、革命=國體破壊につながる思想である。「國民主権論」「主権在民論」は「人類普遍の原理」を詐称しているがそうではない。欧米における革命・政治変革から生まれてきた思想であり、日本國體とは相容れない思想である。「國民主権」といふ原理は全面的に否定されるべきである。

『現行憲法』の「平和主義」とは、「我が國は侵略戦争をした悪い國であった。今後は武力戦力國軍は持たないし武力の行使はしないし戦争はしない」という思想である。『現行憲法』の「前文」には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように決意し」「平和を愛する諸國民の公正と信義に信頼して、われらの生存と安全を保持しようと決意した」と書かれている。これは「東条内閣の行為によって行われた侵略戦争は二度と致しません。日本國および日本國民が安全を守るのも生存していくのもアメリカ様・ソ連様・中國様というような公正と信義のある國に一切委ねます」という意味であり、戦勝國に対する「詫び証文」である。

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