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2009年10月28日 (水)

千駄木庵日乗月二十六日

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午前は、父に付き添って病院に赴く。定期的な治療と診察。

午後は、上野公園の東京都美術館にて開催中の「冷泉家 王朝の和歌守展」参観。これは「冷泉家は、三代つづけて勅撰撰者となった藤原俊成・定家・爲家を祖に持ち、歴代が宮廷や武家の歌道師範をつとめた家柄です。京都御所にほど近い、現存最古の公家住宅である同家の蔵には、八〇〇年の伝統のなかで集積されてきた勅撰集、私家集(個人の歌集)、歌学書、古記録などが収められ、いまなお『歌の家』として尊崇を集めています。それらの書物は『冷泉家時雨亭叢書』として刊行され、このほど全八十四巻の叢書が完結したのを機に、冷泉家が守り伝えてきた貴重な典籍や古文書類の精髄をお目にかけるのが本展です。」との趣旨(案内書)で開催された。

『古今和歌集』『後撰和歌集』『明月記』などの国宝五点、御歴代天皇の『御宸翰』、『勅撰集』、『私家集』、『歌書』などが展示されていた。そのほとんどが重要文化財であった。

これだけの貴重な品々が、一つの家に、応仁の乱や戦国時代そして大東亜戦争後の混乱期にも散逸せず、約一千年にわたって保存されてきたことはまさに奇跡である。やはり冷泉家のご努力を和歌の神様が護って下さったと言うほかはない。

天皇の御宸翰・御製・御懐紙などをこれほど数多く一度に拝観したのは初めてであった。天皇の国家統治の基本に「和歌」「御製」がある。天皇の御心を民に示し、民の心を天皇が知り給うのは実に和歌が重要な役割を果たした。天皇の国家統治は和歌とは切り離し難く一体である。天皇の国家統治は、西洋や支那の皇帝・國王のように権力・武力によって国民と国土を支配するのではない。日本天皇は、まつりと和歌といふ二つの信仰的精神的営為によって国民と国土を統治されるのである。上天皇から下民衆に至るまで創作し、神代より現代に至るまで創作し続けられてきた文藝が和歌である。即ちわが日本の時間と空間を無限に充たす文藝である。

帰途、東叡山寛永寺に参拝。本堂である根本中堂が夕日に照らされとても美しかった。「上野戦争碑」を仰ぐ。

帰宅後は、原稿執筆など。

           ○

写真は夕日に照らされる寛永寺根本中堂です。

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