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2009年10月22日 (木)

千駄木庵日乗十月二十一日

午前は父母のお世話。訪問看護師の方と共なり。

午後一時より、靖国神社境内の靖国会館にて、「木川智氏激励会」開催。国民儀礼の後、丸川仁氏が挨拶。木川智氏が決意表明。大島竜珉・吉田直紀・阿形充規・藤元正義の各氏が激励の辞を述べ、盛宴に移った。

帰途、四十年来の同志と懇談。父母の健康のこと、そして父母の世話をする小生のことをいろいろ心配して下さる。本当に有難い。

午後六時半より、春日の文京シビックセンターにて、「國體政治研究會 第六十二回例會」開催。小生が司会。高池勝彦氏が挨拶。

高森明勅日本文化総合研究所代表が、「天皇の『祭祀と統治』再考」と題して講演し、「天皇は祭祀王であるという発言が無批判になされている。天皇は祭り主であられるが日本の統治者である。統治と祭祀を切り離すことは國體を蔑する

日本は、主要国の中で殺人事件が少ない。暴力犯罪の被害率も少ない。長寿世界一。活力もある。社会の安定と秩序が確立されている。その基盤に皇室の存在がある。日本は世界の君主国で飛びぬけて人口が多い。皇室の持つ統合力・求心力の卓越性を見なければならない。長い歴史があるが故に卓越した統合力がある。

日本には王朝交代がないので、皇室ファミリーネームなし。武家がダイレクトに権力に握る時代が七百年続いた。これは解明すべき歴史テーマ。卓越した王室があることよって民主政治が機能する。

皇室祭祀の大祭は、元始祭・昭和天皇祭・神武天皇祭・春秋の皇霊祭・神嘗祭・新嘗祭。最も大切なのは新嘗祭。天皇は潔斎され、ご自身でお供えを行わせられる。大和朝廷発祥の地・纏向遺跡は新嘗祭が行われた形跡がある。

天皇は文化人類学で言う祭祀王ではない。祭祀王は収穫が多かったら尊敬され、少ないと尊敬されない。新嘗祭は収穫が終わった後の祭り。天皇は収穫が多い少ないという比較を超越したところにおられる。

天皇の祭祀は『現行憲法』の国事行為であってはならない。国事行為にすると内閣の助言と承認が必要になる。祭祀は天皇の公事である。天皇の祭祀は統治者としての祭りであり、統治と祭祀は一体。

天皇が不断にお祭りをされ国民の幸福を祈られるので、被災地にお出ましになると、国民に勇気と慰めを与えられる。天皇はお祭りだけをされていればいいというのは本末転倒。

天皇がおられるところが都。天皇が京都に移られたら、国事行為を京都でやっていただくことになる。日本をしらしめす主体が天皇。ただの祭祀王・文化的存在にしてしまうのは誤り。

天皇は国家権力の一段上におられる。行政権力をダイレクトに持たない。『現行憲法』の『国民主権』の『国民』は建国以来の国民、将来の国民を含むという意味ではない。現行憲法第十条では『国民の要件を法律で定める。』とある。国民の要件を定めると明記している法律は『国籍法』。つまり『現行憲法』における国民の要件は国籍のみ。故に国民主権の国民は建国以来の国民ではない。

天皇の祭祀と神話によって日本は高邁な建国の理想とビジョンとを保ち続けることが出来た。天照大御神は独裁ではなかったので、天皇も独裁ではなり得なかった。祭りはまず清らかさを求められた。天皇は『三種の神器』と共に出処進退される。祖先から伝統精神受け継いで来られた」と語った。

終了後、参加者と懇談。和気藹藹のうちに談論風発。

帰宅後は、原稿執筆。

             ○

高森氏の講演を久しぶりに聞いた。国民主権に関する考え方に共感した。また「天皇は祭祀主であらせられるとともに、統治者であらせられる。ゆえにただ祭祀をしておられればいいとか、京都に移られて政治に関与されないほうがいいという主張は誤りである」という説も全く同感である。

天皇は、日本の伝統精神の体現者として、日本の政治・文化・経済などすべてのことを聖化し安定化し統合される御存在である。

『大日本帝国憲法』において「しらす」の漢語表現として「統治」という言葉を用いた。そしてこの「統」という言葉は統べる(統一する)という意であり、「治」は治める(本来の位置に置く)という意である。明治天皇が明治元年三月十四日に発せられた『明治維新の宸翰』に「天下億兆一人も其處を得ざる時は、皆朕が罪なれば…」と仰せになっている。このお言葉こそまさしく「治める」の本質なのである。無私と慈愛というまさに神の如き御心で日本を統治されるお方が日本天皇であらせられるのである。

二十一世紀を迎えた今日においても、神話の世界のままに、天の神の祭り主の神聖なる御資格を受け継ぎ給う天皇を、現実の國家元首と仰ぎ、國家と民族の統一の中心として仰いでいる。これは日本の麗しい自然と稲作生活が完全に滅びない限り続くであろう。こうした事実が、西洋諸國やシナと日本國との決定的違いである。

わが國が、長い歴史を通して様々な変化や混乱などを経験しつつも國が滅びることなく統一を保ち続けたのは、天皇という神聖権威を中心とする共同體精神があったからである。日本という國は太古以来の伝統を保持する世界で最も保守的な國でありながら、激しい変革を繰り返して来た國なのである。その不動の核が天皇である。

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受信: 2009年10月25日 (日) 00時16分

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