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2009年8月 8日 (土)

千駄木庵日乗八月七日

午前は父母のお世話。訪問看護師の方と共なり。父がやや精神的に安定しないので、額に手をあてたりして慰める。

午後は、上野公園の東京藝術大学美術館で開催中の「天皇陛下御在位二十年記念 日本藝術院所蔵作品展」参観。「日本藝術院では、毎年天皇皇后両陛下の行幸啓を仰ぎ授賞式を挙行しています。この度、今上天皇陛下御在位二〇年を記念して、恩賜賞並びに日本藝術院賞を受賞した所蔵作品展を開催し、祝意を表するものです。」(案内書)との趣旨で開催された。

日本画、洋画、彫塑、工芸、書にわたる恩賜賞受賞作品二六点、及び日本藝術院受賞作品を含む計六〇点が展示されていた。絵画では杉山寧の「暦」、奥田元宋の「塊」、彫刻では平櫛田中の「靈亀随」、工芸では吉賀大眉の「連作曉雲」に感動した。

日本国の文化は、宮廷・皇室を中心に継承され、発展してきた。和歌文学はその典型であるが、美術も然りである。さらに、外来思想・宗教も、宮廷・皇室が中心となって受け入れられ継承されてきた。その根幹に、上御一人日本天皇の祭祀主としての信仰的権威があったのである。この日本國體の素晴らしさはここにある。

続いて同じ会場で開かれている「コレクションの誕生、成長、変容藝大美術館所蔵品選」参観。「東京藝術大学の前身東京美術学校の歩みと共に連綿と収集されてきたコレクションは、名品として世に知られる芸術品から、知られざる資料に至るまで、 まさに多岐に渡るものです。 なかでも東京美術学校の歴史に大きな役割を果たした指導者岡倉天心、正木直彦、黒田清輝、平櫛田中が、それぞれの見識をもって学校への収蔵に尽力した作品は、現在の藝大コレクションの核となっています。本展覧会では、これらのコレクションのなかから約一四〇件を、通常公開する機会のないものも織り交ぜ、厳選して紹介いたします。」(案内書)との趣旨で開催された。

狩野芳崖の「悲母観音」、上村松園の「序の舞」、鏑木清方の「一葉」、原田直次郎の「靴屋の親父」、高橋由一の「鮭」「根津権現」、和田英作の「渡頭の夕暮」、藤田嗣治の「自画像」「婦人像」などを見る。どれも歴史にのこる名作といわれるものばかりであった。「一葉」の肖像画は、昨日、一葉記念館を参観したばかりなので余計印象に残った。

夕刻、千駄木に戻り知人と懇談。

帰宅後は、原稿執筆の準備など。次号の「政治文化情報」では、昭和天皇が発せられた「大東亜戦争開戦の詔書」の意義についてについても少し書かせていただく所存である。

          ○

上野の山は、今は文化の森といわれる公園になっているが、かつては、戊辰戦争の戦場になった。徳川将軍家の祈祷所・菩提寺であった東叡山寛永寺の豪壮な堂塔伽藍があったのだが、彰義隊が立てこもり。新政府軍との戦いを行ったため、その殆どが戦火を浴びて、焼失してしまった。彰義隊は徳川将軍家のためと思い戦ったにもかかわらず、かえって徳川家の霊廟を焼失させてしまったのである。歴史の悲劇というべきである。

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