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2009年7月 4日 (土)

千駄木庵日乗七月三日

午前は父母のお世話。

午後は諸雑務。そしてある声楽家の方と懇談。

夜は資料の整理など。

        ○

解散時期についての論議で、「天皇陛下が海外御巡幸されている間は、解散すべきではない」というごく当然の議論に対して、麻生総理大臣は二日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、

「天皇陛下が外遊中の国事行為は皇太子殿下が代行なさると、法律上、決められており、解散に限って言うわけではないが、法律どおりにさせていただくのが普通だ。法律上は何ら問題ない」と述べた。河村建夫官房長官も二日午前の記者会見で、「法律にのっとって皇太子殿下が国事行為をできる形を取ってある。その中でどう考えるかという問題だ」と述べ、「首相の解散権」は制約されないとの認識を示した。

何とも許し難い考え方である。現行憲法下においても、天皇陛下は「国家元首」であられる。そして「衆院の解散」は、 憲法七条に「衆議院を解散すること」と規定されている通り「解散権」は天皇の国事行為の一つである。内閣総理大臣には、天皇陛下に解散を上奏する職権はあっても、「解散権」は無い。

「現行憲法」が施行された昭和二二年以降、二〇回、衆院が解散されたが、天皇陛下が海外に御巡幸中に解散が行われたことはない。憲法第四条の「天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる」という規定を盾にして、敢て天皇陛下が国内にいまさない時に「解散」を行うなどということは、天皇の権威を軽んじる不敬行為である。尊皇政治家であった吉田茂氏の孫である麻生氏にしてこのような不埒な考え方を持っている事に失望の念を禁じ得ない。断固糾弾する。

一方、自民党・町村派の町村信孝会長は2日、「海外に公務に励んでおられる陛下が、何か国内のことでご心配をされる、ご宸襟を煩わせるようなことがあっては決してならない」「陛下が心安らかに親善の目的を達成できるような国内の環境をつくるのが最低限の義務だ」と述べ、天皇陛下海外御巡幸中に衆議院の解散を行うべきでないとの意向を表明した。こういう姿勢こそ、日本の保守政治家としてあるべき姿である。さすが町村金吾氏の御子息である。


天皇陛下が、外国を訪問され、友好の絆を深められている最中に、国内で、政権交代があるかないかの総選挙が行われるなどということがあっていいはすがないではないか。麻生氏は一体何を考えているのか。天皇陛下の輔弼の臣である内閣総理大臣そしてその補佐役の官房長官に肝心要の「尊皇精神」が欠けているのだ。幸福実現党などという國體否定の政党即ち國體破壊実現党の出現などとあわせて、天皇国日本国はまさに危機に瀕している。

麻生総理は、昨年九月二九日に行った「所信表明演説」で、「この度、國権の最高機関による指名、かしこくも、御名御璽をいただき、第九二代内閣総理大臣に就任いたしました。一一八年になんなんとする憲政の大河があります。…統治の伝統があり、…その末端に連なる今この時、わたしは、担わんとする責任の重さに、うたた厳粛たらざるを得ません」と述べ、天皇国日本の総理大臣としての矜持と自覚を表明し、天皇国日本の統治の伝統の継承を誓ったのである。この誓いを忘れたのか。天皇陛下から「御名御璽」をいただいてこそ、衆議院解散が行われるのである。このことを忘却するなどということは絶対に許されない。

ところであるメディアは、町村氏の「ご宸襟を煩わせるようなことがあっては決してならない」という発言を「ご心筋」などと誤記していた。何とも情けない限りである。

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