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2009年6月 8日 (月)

千駄木庵日乗一月七日

未明、父の容態に変化があり、病院に

付き添って行く。医師の診察と治療を受け、小康を取り戻したので帰宅。日が長くなっているので、帰りは明るかった。大変キザな言い方だが、父や母のお世話をするようになって、あらためて親の有難さを実感するようになっている。

午前は少し休憩。

午後一時半より、靖国神社境内の靖国会館にて、「みことのり普及・講演会」開催。井上順理素行会会長(文学博士)が講演し、「学問即科学ということになっている。科学は明治になって入って来た西洋の学問。それ以外に学問は無いという明治以来の日本の教育は決して正しくはない。明治以前は日本や東洋には学問がなかったということになる。山鹿素行まっとうな学問をした人。それを受け継いだのが、吉田松陰・乃木希典である。西洋の科学とは何の関係もない。明治以後、西洋の翻訳を教科書にした。日本人はすぐに付和雷同して本物でないものに一生懸命になる。外国崇拝に陥り、一切の価値の基準を外国に置く。明治初期は西洋一点張りで。日本のそれまでの学問を全て捨ててしまった。明治から大正にかけての学校教育は失敗だった。

学ぶとは習うこと。模範・師匠の教えを学ぶのが学問。道徳信が学問の基礎になければならない。西洋の学問の基礎は、愛知主義。知を第一に考える。知識欲が第一。自然を開拓し、自然と戦い、自然を征服して、人間生活を立てることが、学問の出発。ものを成立せしめている根拠・理をきわめなければ、自然を征服することが出来ない。真理の探求が学問の出発点。日本人は自然に神が宿ると考える。ギリシアで発達した学問し現実性がない。現実に役立つことを度外視する。学問とは理論化であり体系化であるとする。

明治十五年に、明治天皇が発せられた『幼学綱要頒賜の勅語』に、『年少就学、最も當に忠孝を本とし、仁義を先にすべし』と示された。『智識才藝』『各科の學』が科学。明治天皇は、明治十九年、東京大学に行幸された時、『理科、法科、医科などは益々進歩するといえども本とする修身の学科は見るところなし。真成の人物を育成するは得難きなり』と仰せられた。道徳を本とし才藝を末とするのがわが國の精神。国民生活の源泉は詔の拝承にある。」と語った。

大変申し訳ない次第だが、ご講演の後半はどうしても睡魔に打ち勝つことが出来なかった。

そして、質疑応答が行われた。

帰宅後は、原稿執筆など。

            ○

私の母校二松学舎の理事長をしておられた浦野匡彦先生は入学式の度に、『明治天皇が東京大学にご臨幸あらせられた時、一体日本の学問は何処でやるのかと仰せになり、あわてて古典学科が作られた。わが二松学舎は日本伝統の学問を継承する』ということを言われていた。明治初期は、西欧の学問・思想・文化などを取り入れるのに汲々として、肝腎の日本の学問は軽視されていた。近代日本建設をになった人々に、日本傳統精神を正しく継承する人が少なかった原因はこういうところにあったのではないだろうか。もちろん、西洋の学問を学ぶことは大事であるが、やはりその根底に日本伝統精神がきちんと確立されていなければならない。それは今日においても言えることである。

また、近代以後、学問は西洋的に分化され分割された。昔は漢学という言葉で、くくられていた学問が、中国思想・中国文学などに分化された。国学も、国文学・日本思想・国語学などに分化された。広く包み込む学問態度が失われた。そして国学者・漢学者はすでにいなくなった。私が二松学舎大学に入学した時の、名誉学長・那智左傳先生は、和服を着てひげを蓄えた、江戸時代の昌平坂学問所の先生のような漢学者であられた。濱青洲先生という漢学者もおられた。

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