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2009年4月 2日 (木)

千駄木庵日乗四月一日

午前は父母のお世話。訪問看護師の方と共なり。

午後はある声楽家の方が来宅、懇談。

その後、在宅して資料の整理など。

         ○

今日お会いした声楽家の方は、毎月一回開催している歌の発表会で、和歌の名歌に曲を付けて歌っておられる。三月は、昭憲皇太后のお歌と大伴家持の歌を歌われた。今月は、どういう歌にしようかということを話し合った。季節感のある歌にしたいとのことなので、大伴家持の

「うらうらに照れる春日(はるひ)に雲雀あがり心悲しも独りし思へば」(うららかに照っている春の日の光にひばりが空に飛び飛び上がってゆく、しかし私の心は何となく悲しいなあ、一人でものを思っていると、というほどの意)

という歌が良いのではないかと申し上げた。明るい春の季節であっても憂愁に沈む自分を歌っている名歌である。やはり、家持は、人麿と共に萬葉集代表歌人である。人の心を打つ名歌を数多く詠んでいる。

「五・七・五・七・七」の短歌は、なかなか曲をつけるのが難しいとされている。「国歌君が代」は別格であるが、若山牧水の

「白鳥は 悲しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ」 

「幾山河 越えさりゆかば 寂しさの はてなむ國ぞ けふもたびゆく」

いざゆかむ 行きてまだ見ぬ 山を見む このさびしさに 君は耐ふるや」

の三首に、古関裕而氏が曲をつけた。昭和二十二年のことである。これは藤山一郎氏が歌ったと思う。この他には、短歌の歌曲はあまり聞いたことがない。それにしても、牧水の歌は素晴らしい。わたしは、近代歌人では、牧水・啄木と与謝野晶子が大好きである。

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